男同士の友情


明日の夕刻から上京するので、

資料の整理をしていました。

そんな夜、

大学時代の同級生からメールにて、

今、電話して良い?

コレが良く耳にする今風のエチケットなのか、

と、

親友であるのに、

なんだか水くさいような気持ちになり、

直ぐさま、

私から電話を入れたのです。

相変わらず私は電話野郎のままです。

彼は浅見知市朗博士です。

親友であるのに、

博士と表現するのは、

彼の学者としての姿勢、業績を尊敬しているからです。

彼は間違いなく、

私にとっての一番の親友です。

18の歳から今も変わらず親交が続く訳は、

互いの性格が真逆のようで、

でも、

肝心な価値観は一致しているからだと思います。

昔から、

彼の言葉だけは素直に聞けるのです。

意に反する言葉も耳にします。

そんな時、

彼の言葉なら私は素直に、

その意見を採り入れるのです。

彼は群馬県の医療系大学にて、

解剖学の教授を務めています。

毎日を若い人との関わりを持ち、

医療人へと育てる仕事に情熱を傾ける彼は

臨床家から離れてから、

すっかり気持ちに若さを取り戻したように思います。

彼は教育者、学者として、

のびのびと今も青春坂を駆け登っています。

そんな彼に、

精一杯に大声でエールを送っています。

彼は彼で、

歯に生きることが全てである私に

肝心な時に、

肝心な要所を、

日本刀のような鋭さで、

バサッと、

一太刀浴びせてくれるのです。

皮1枚、

否、

額からスーと血が流れるほどの

手加減にて。

ここに彼の真意と心意に

感謝しています。

これは男同士の硬い友情が

確固たる故の所作でも在ります。

良い友を持ち、

人生の幸運な人だと、

彼の声を聞く度に、

感謝しています。