日本刀

息子がスタッフの宮田君とお喋りしていました。

父ちゃんは昔は

そりゃ恐かった!

いつもビシッとスーツで決めて、

髪もビシッ!

みんな近寄るのも恐かったみたい。

ある方も仰っていたもの。

三枝先生は日本刀のような人だったと。

私ですか?

ニコニコしながら二人の会話を聞いていました。

息子が小学生の頃だそうです。

一緒に大阪市へと出掛け、

リッツ・カールトンのロビーに入ると、

ドアマンからフロントマンまで総出でお迎え。

で、

先生、今日は坊っちゃんとご一緒ですか?

その後、

小学生の息子を新地へと連れ出したのだそうな。

黒服の方から、

若!お疲れ様です!

アチコチで声をかけられるのに、

息子は仰天したそうな。

息子の飲み屋デビューは幼稚園児の頃。

8時開店が普通ですから、

7時40分頃に

店のドアを開けるのです。

ボーイさんと新人のお姉さんが、

ちょうど開店前の最後のチェックをしている頃合いです。

で、

コーナーに腰かけて、

私はジントニックを。

息子はオレンジジュースです。

そんなこんなしていたら、

何人かのお姉さんが出勤し始め、

私らの処へ来る訳です。

あらぁ!先生のお坊ちゃん!

可愛いわねぇ!

息子はお姉さんの開いた胸元を凝視します。

あらぁ!触っても良いのよ!

ウシシ!と云う嬉しさイッパイの満面の笑顔で、

お姉さんの胸を触る息子。

あらぁ、私のも良いのよ!

スケベな息子は、

次から次へと、

本来は真面目なクラブのお姉さんの胸を

触りまくって大喜び。

で、

8時を回った頃合いに、

店を後にするのが常でした。

今は丸くなったと、

みんなから言われます。

私自身も、

そう思います。

が、

筋目とこだわり処は

全くのズレはありません。

私なりの紳士道と云うのでしょうか?

私の中にある境界線を踏み込んだ無礼な輩には、

私は今では怒りこそしませんが、

スーと後退するのです。

人と人との付き合いは

本当に難しいものです。

失言と、

言ってはならない言葉とは

全く意味合いが違います。

また、

覚悟して口にした際には、

その覚悟以上の責任をとらねばなりません。

だから、

普段はニコニコしていた方が楽なのです。

そんな話しを二人にしていました。

刀は抜いたら終わりです。

鞘に入ってこそ日本刀。

ですから、

私の若い時分は、

随分と未熟者だったんだなと、

反省しています。

ただし、

刀も鞘に入りっぱなしだと、

錆び付いてしまいますから、

人知れず、

刀を研がねばなりません。

そして、

静かに鞘に納める。

人生もこれと同じです。

刀を抜かせないように、

刀を抜かずに済むように、

そういう事を意識する、

これが大切なのです。