若い方の患者さんの多いことに


最近、

若い方、

具体的には30代の、

以前の私の診療所へお越しになられる患者さんは

まぁ50代から60代の方々が中心でした。

ですから、

今、

海外にて暮らす一番上の娘も

既に30を前にしていますので、

謂わば、

娘のような年頃の患者さんが増えたことに

私は戸惑っているのです。

悲しいんです。

だって、

その年齢でインプラントを望んで、

私の診療所へお越しになられるのですから。

その年齢で、

歯を抜かれた!

歯を失った!

歯を抜くと言われた!

そういうことに悲しいんです。

若い方ですから、

綺麗になりたい!

そういう想いが強いのは当たり前です。

それはよく判ります。

審美歯科治療を受けたいと思う気持ちを

私は否定しません。

が、

若い方ですから、

相手を選ぶ眼はどうなんでしょう?

キャンペーンを打つ医療機関に

医師たる者の心の誓いである【ヒポクラテスの誓い】、

医師たる者の責務が在るとは思いません。

治療のご費用に対するご心配も

私にも理解できます。

ただ、

安物買いの銭失いと云うことわざが在りますが、

歯を失い、

結局は費用も高くつく。

そんな馬鹿なことだけは経験して欲しくはありません。

上目だけの観てくれだけ、

上手いコマーシャルトークで、

患者さんをお客さんとしか考えていない医療倫理の欠如。

直ぐに、

簡単に、

精密治療が、

長持ちする治療が、

出来る筈などありません。

私ら医療人はタレントやセレブではありません。

歯の専門家。

人の大切な身体を与る身です。

派手さなど不要なのです。

私は娘の歯は

絶対に抜くような手当てはしません。

ですから、

若い方の歯を守りたいんです。

ただし、

既に歯が無い方も多いですから、

それはそれは、

知恵を搾ります。

設計に全精力を注ぎます。

長持ちさせねばなりませんから。

これから人生を過ごす上で、

色々あるでしょう。

そういう時に、

歯を喰い縛って、

乗り越えて貰いたいですから。

残っている歯については、

徹底的に、

歯が残るように技の限りを尽くします。

それが【歯の番人】としての使命ですから。

が、

つくづく感じるんです。

もっと速くに

私に診せて貰いたかったと。

生意気ですみません。

他所の歯科医師との腕比べなどには、

全く興味なんかありませんので。

序でに、

今日は先に話題に出した一番上の娘の誕生日です。

大学院の博士論文の仕上げ直前に、

新潟市にて、

この世に生を受けました。

遥か彼方で暮らしています。

毎日、

娘の顔が脳裏に浮かびます。

産婦人科から帰宅する道のりを

5キロ程でしょうか?

満天の星を仰いで歩いていたことを

娘の誕生日の誕生日の度に思い出すのです。

何にもしてやれません。

幸せでいて欲しいと祈るだけしかできません。

それが父親ってモノです。

だからこそ、

若い方の治療においては、

その方々の親御さんの想いを重ねて、

私は一層の馬力が出るんです。