師と弟子


内藤先生からお電話を頂戴した序でに、

いつものように又、

師にお願いしたのです。

師から届いた先生の診療着の一部を、

早速、

私なりにアレンジしてオーダーしたのですが、

師の診療着は、

謂わば医師たる者の姿そのものです。

特に師の診療着を眠らせておく訳にはいきません。

で、

私の診察室の、

私、

そして患者さんから、

一番観えるアングルが、

この写真です。

正面の壁に掲げられた額縁の中の写真は師の姿です。

カウンターの上の飾りは、

【月の石】です。

本物ですよ!

夜、

夜空に輝く月と星を仰ぐじゃないですか?

遠い宇宙を感じます。

あぁ、私も月や星のような師のようになりたいと、

若い時分から今日まで、

ジャンプしています。

先生の診療着は、

その真横に設置させて頂きました。

私は診療の度に、

目線を上げると、

この光景が視線に入ります。

で、

いつも師に監視されているような気になるのです。

この判断が正しいのか?

次に手当てに進む状況に歯肉は準備できているのか?

手当てのステップ、ステップ毎に、

私は視線をもたげます。

そのようになか、

師のお写真は、

丁度、先生が今の私の年代の頃に頂いたモノです。

先生は73歳ですので、

恐る恐る先生に申し上げたのです。

先生、写真を下さい。

今のを。

いささか現在とはチョト。

師が曰く。

そりゃそうだ。頭も随分と薄くなったしな!