今こそ大学の存在価値が問われると


究極のところ、

歯科治療の長期成功は

【炎症と力のコントロール】に

尽きることを実感しています。

で、

炎症のコントロールには、

患者さんの全身状態と密接な関係にある唾液との関わり。

力のコントロールには、

個々の歯の並びの連続性を保つこと。

しかしながら、

これらを満たすことは

とてもとても大変な作業です。

全体状態の把握については、

医師の眼を持たねばなりません。

患者さんの健康への関心度合いも

避けては通れません。

健康維持には、

生活の質の向上が必須ですから。

睡眠の質、

食生活、

ストレスとの上手な付き合い方、

色々な要素が絡み合うことを

我々、

患者さんともに、

大きな意識改革が必要です。

力のコントロールにおいても、

生活の質の向上は、

大きな要素になります。

複雑化した社会生活を営まねばならない昨今、

ストレスのない生活などできないでしょう。

ストレスの発散の1手段としての、

睡眠時の【噛み締め・食いしばり】を

私は否定しません。

この自然行為を防止すると、

ストレス発散の手当てを失うからです。

が、

歯の番人たる歯科医師にとっては、

厄介な行為であることは間違いありません。

その矛盾に対する手当てを

その患者さん個人個人に対応することが、

歯科医師の腕の見せ所と思います。

とは言え、

50半ばになった私も、

日々、

難問に直面し四苦八苦しているのが現状です。

歯科大学の使命が、

これらの研究にあると、

私は実感しています。

私の母校である日本歯科大学は、

我が国における最初で最大の歯科大学です。

今こそ、

母校であるからこそ、

それらの問題解決のために

研究者全体が気づいて欲しい、

そのように思います。