冬のシカゴにて


近代歯科医学といっても、

我が国では、

そこそこ100年程度の歴史で、

それが則ち、

母校である日本歯科大学の歴史でもありますが、

1864年にドクター.ハドレイを会長とする

シカゴ歯科医師会主宰の勉強会が発展した

真冬のシカゴミッドウインターミーティングは

歯科界最大の学会として有名です。

歯科医師に成り立ての頃から、

私は時々、

この学会へは参加するようにしてきました。

アメリカの歯科事情を

肌感覚で、

感じられるからです。

経験上、

10年先の、

日本の歯科事情が察知できるからです。

ついでに、

様々な専門分野のセミナーも開催され、

1度で2度、

美味しい思いができることも、

この学会の旨味でもあります。

で、

気がつけば、

私も歳なんだと感じたのです。

私の歯科医学の進むべき方法に

間違いはなかったのだと、

半ば安心したのです。

また、

今回は【歯科保存学の父】と言われる

ブラック博士の銅像を

やっと、

観れたことが、

1番に嬉しかったのです。

 

歯科保存学を専攻して30年経って、

やっと誕生日の今日、

ブラック博士に出会うことがかないました。

20代半ばに、

先生の著作の冒頭の言葉、

【専門職である歯科医師は、たゆまざる学徒であれ】

研究の最中の博士の写真と共に、

私は妙に興奮したものでした。

博士の銅像を前に、

まだまだ道半ばと、

一層の精進を誓い、

再び何十年か先の引退後に、

仕事の報告に再来しようと誓ったのです。