歯科治療における感染防止対策 その2.


歯科の治療で使う機材は、患者さんの唾液、血液、切削した歯の飛沫に
常に曝されています。

当然の事ながら、使い捨てのディスポーザブルで対応するのがベストですが、
機材によっては不可能なものもあります。

その様な場合には、滅菌処理によって無菌化しなければなりません。

最近、どこの歯科医院でもピンセットなどの基本的な治療道具類は
滅菌パックに入れてオートクレーブ滅菌をしてから患者さんに提供する様になりました。

歯を削るタービンやエンジンも同様に滅菌パックに入れて保管して
患者さんごとに交換するのが普通になりました。

これ等は当たり前の事で、最低限の感染防止対策です。
この様な普通の事が出来ていない医院には、私が患者であればゴメン被ります。

但し、気をつけなければならないのは、まだあります。

診療用チェアーに腰掛けてから、必ずチェックして頂きたい処があります。

歯科医や歯科助手が手で持つ道具の先の部分です。
スリー.ウェイ.シリンジと言います。
水鉄砲の様に、歯科医や助手がボタンを押すと、
水や圧搾空気が出てくる道具です。

歯を洗ったり、歯にエァーをかけて見えやすくする時に使うと言えば
お解りになると思います。

このスリー.ウェイ.シリンジの先の部分は、患者さんの口の中に
一番身近にある道具です。

にもかかわらず、この部分をディスポーザブル対応あるいは滅菌対応している医院は希です。

スリー.ウェイ.シリンジの先は、確実に前の患者さんの唾液や血液に汚染されています。

よくあるパターンは、治療が終わったら助手がアルコールのついた布で拭く位です。

綺麗事を言っても、この様な医院に衛生の概念はないと言って良いでしょう。