医人教育


生涯研修と云うことで、

歯科医師それぞれは

自分目線で、

セミナーを受講したり、

勉強会に参加して、

生涯研修したつもり?になっています。

一口に、

歯科医師と言っても色々です。

判り易く云えば、

卒業仕立ても歯科医師なら、

大学教授も歯科医師なのです。

同じ免許さへ合格すれば、

患者さんからすれば、

同じ歯科医師ですから。

最近では、

若い歯科医師も優秀ですからね。

理論的にはドンドン言うこと言いますから。

でもね。

自分目線でのトレーニングなんか

プロスポーツの世界なんかでは

通用しませんね。

いかに優秀なトレーナーについて

指導して貰えるのか!

自分の能力や努力も絶対的に重要ですが、

才能を開花させるのは、

優秀なる第三者であるプロのトレーナーに

他なりません。

当然、

私にも優秀なトレーナーはいます。

一生頭の上がらない師匠であり、

アメリカまで出掛けて行って

個人的なレッスンを受ける訳です。

随分と長い間、

インプラントメーカーのインストラクターを務めていましたが、

この数年間は辞退しています。

講演なども同じ。

続いているのは、

クローズドの勉強会だけです。

何故って?

医療倫理から価値観の違う人に

何を教えても、

曲げて解釈するか、

端から

私の伝えたい事を理解できないからです。

自ら何かを掴みたいと

喉の渇きを自覚している人と、

教えて貰えることに馴れている人とは

全く同じ台詞を聞いても

受け取り方が違うのです。

これから母校の附属病院の臨床教授として、

第5学年の学生の病院実習、

そして、

国家試験に合格したての臨床研修医、

総合診療科の歯科医師への

実際の臨床を

教えることが私の仕事になります。

それは技術だけに留まらず、

物事の考え方から、

医療倫理、

そして、

人としての所作まで、

様々に及びます。

同じ水を飲んで

同じ釜の飯を食って、

歯科医師として育てられた

母校の後進たちです。

ですから、

私はお引き受けしたのです。

私の診療所での、

私の工夫や仕掛けなどの

全てを、

母校の附属病院の治療にて

公開しながら、

自らも患者さんの診療を行います。

恐らく、

酷しい教官と言われるでしょう。

それは覚悟の上です。

臨床は戦いですから。

しかし、

一番に酷しくするのは、

自分自身にです。