覚悟


この10年、

母校の学生教育に関与できる幸運に恵まれました。

このことは、

逆に、

私が教えられる機会となりました。

大きな組織で働く人たちの日々の営みを

実際に触れる事ができました。

積極的に働く人も居れば、

単に生きる糧を得るためだけに、

としか思えない人たち。

また、

積極的に働く人たちの中にも、

上昇志向の強さが働く根源である人、

母校愛などのパッションが、

仕事の原動力となって、

がむしゃらに働く人。

そのような様々な教官の中で、

学生諸君は鍛えられるのです。

自分の事が普通だと感じていましたが、

決して自分が多数派ではないことにも、

気がついたのです。

私は医療人です。

その職責の重さに

後悔できない位に

深入りした年齢に達し、

覚悟を決めざるを得ないことにもなりました。

追い打ちをかけられるように、

臨床教授の重任を背負いました。

大学と診療所の2重の仕事場を

与えられ、

これも神さまの思し召しだと、

覚悟を決めたのです。

医師であり、

医療教官である以上、

本来の私を

後回しにする覚悟を決めたのです。

絶対的な安定感と安心感が

私の身体全体から発散し続けることが、

母校が私に与えたミッションであると、

気づいたのです。

歯科医学の王道を歩く姿を

学生諸君や若い歯科医師に

観せるやせ我慢が、

私の残り人生の仕事だと、

覚悟したのです。