インプラント修復の設計の転換点

超高齢化社会をわが国を含めた先進諸国が

初めて経験しています。

写真の男性は76歳。

最近、脳梗塞の発作を経験されました。

現役時代にはバリバリのクリエイティブプロデューサーとして

ご活躍されておられました。

引退するでもなく、

仕事をセーブしながら、

趣味程度の仕事量と

それこそ趣味を楽しみながら、

ゆっくりと、

人生の残りを、

階段を降りてゆくんですよ。

そんな風に仰っておられました。

が、

脳梗塞の発作が氏をスッカリと豹変させたのです。

無力感漂う老人と化し、

一時は私も相当に心配していました。

一気に唾液の分泌量が減りました。

修復物周辺に虫歯が多発し始めました。

あれほど丁寧なブラッシングテクニックを

身につけた紳士たる氏の手指は、

後遺症、それは軽度ではありましたが、

氏の思うようには動いてはくれなくなりました。

写真の最後部のクラウンはインプラント修復です。

その手前の歯の欠損部分は、

私の抜歯に依るものです。

ご家族構成を考えると、

後には、

施設管理の整った介護施設に入居される可能性は否定できません。

歯の欠損した部位の顎の状況は、

私の頭の中には、

完全に把握できています。

インプラントの手術に適応する骨はあります。

しかし私は、

あえてインプラント修復を選択しませんでした。

最後部のインプラント修復のセラミッククラウンを外して、

これは容易に行えます。

インプラント修復の際には、

仮セメントにてクラウンをいつでも外せるように手当てしています。

その訳は、

クラウンの下部にあるアバットメント・スクリューの

締まり具合を定期的にチェックするためです。

で、

インプラントには入れ歯が噛みしめた際の

沈下防止装着として

最後のご奉公を託すことにしたのです。

部分入れ歯であれば、

介護施設において、

訪問診療の歯科衛生士の手を煩わさないでしょう。

また、

インプラント周囲の清掃も容易に行えます。

部分入れ歯の金属フレームワークです。

大きな穴の開いた部分にインプラントの沈下防止装置が適合する設計です。

今、インプラント治療における、

修復方法の転換点を模索しています。

お元気な時代にはクラウンにて、

バリバリ食べる。

そして口元お美しく。

でも、

高齢者となり寝たきりになったり、

不幸にも脳疾患などで寝たきりになったり、

そのような際には、

インプラントは入れ歯の1装置へと

使用目的を変えて、

積極的に部分入れ歯に変えるべきだと、

私は考えています。

【ああそうだ・これをしよう・あの人のために】

ノートルダム清心理事長 故渡辺和子シスターの言葉