DNA


日曜日の昼下がり、

院長室で書き物をしています。

部屋の真ん中に置いたデスクの

向かい側の壁際の、

もう1つの机に向かって、

期末試験を明日からむかえる

中学2年の娘がテキストと格闘している様子を

時々、

眺めています。

少女から青春期への移行期の気配に、

しばしば当時の自分と重ねて観るのです。

エネルギー効率の悪い時代が、

当時の私だったと事後評価しています。

将来への不安と、

現状へのやるせなさ。

今の若い奴はと云う

大それた台詞など

私には言う資格はありません。

難しい症例を

次々と。

そういう今を

ありがたいことだと思っています。

で、

横の娘は、

近代の世界史と日本史。

理科は磁力と電気。

捻り鉢巻きで、

よくも3学期すべての範囲を

3日で仕上ようという

凄まじい度胸。

数日前に、

娘から教科書と参考書を

手渡されて、

頁を前に、

う~ん・と唸る私。

しかし単細胞なる私は、

仕事のあとに、

おもしろ・可笑しく解説し、

やっと娘は問題集に取り組む始末となった塩梅。

直前までギリギリ手をつけない質は、

間違いなく私のDNA由縁です。

かく言う私も、

急ぎ書き物を。