物指し


難しい症例を

お引き受けすることになりました。

難しい症例というのは、

正常な成長過程と調和した歯科治療から大きき逸脱した時に、

人の口腔は破壊へ猛進します。

ほぼ全ての歯は、

無秩序な人工物によって、

本来の健康を喪失しています。

大型のセラミックブリッジ、

無設計なインプラントの配列。

口腔と、

頭蓋骨格、筋肉との調和など、

嘲笑うかのような・歯科治療の痕跡。

どのような症例を前にしても、

私は次のように、

自分の物指しを念頭に、

頭の中の整理を進めてゆき、

その物指しから逸脱した彷徨う歯を

元の営みを回復できるための

手立てを考慮しています。

先ずは、

いつも大きな2つの視野から、

症例を冷静に診査・観察しています。

1.炎症のコントロール

2.力のコントロール

ここを外してルのは、

どの部分が原因なのか?

そのような一定の物指しで、

物事を精査することは、

とても大切な習慣です。

その上で、

歯槽骨の連続性を平坦化しながら保つための、

個々の歯の観察を行うのです。

このような診査にはCTは無力です。

古典的な歯科用レントゲンの連続像と、

基準値を設定し咬合器にマウントした

患者さんの口腔模型、

そして、

患者さんの口腔内写真が必須です。

そこからが、

歯科医師の頭脳戦です。

そんな・こんなで、

この2日ほどは、

頭の中が飽和状態でした。

こうして、

ブログの更新できるのは、

霧が去っていって、

一区切り、

この難症例が診えてきたことになります。

長年、

歯科治療に携わり、

何事においても、

諸般全般を、

このような物事の考え方をする習慣が身に付きました。

職業が人を育てる・証とも言えましょう。

私は歯科治療することしか・できない

不器用な生き方を選びました。

今では、

ソレも・やむを得なかったのだと、

自分の【縁】を大切に感じています。