DV


弟子の一人が深刻な表情で、

高松に訪ねてきました。

遠方の弟子です。

電車を乗り換えて、

いても・たっても・居られずに、

私に会いに来ましたようでした。

電話を頂いた際には、

コチラに向かっているようでした。

明日は仕事では?

休暇を取ったとのこと。

駅まで迎えにゆき、

車中でも、

彼は無言のままです。

院長室で、

三枝先生はキレないのですか?

馬鹿・言うなよ。

俺なんか・しょっちゅうキレてるさ。

無言が

続き、

ボソリと、

女房をぶん殴ったンです!

怒りの感情を制御できなかったンです。

気がついたら、

蹴りも・いれてたンです。

で、

一瞬・我に返って、

家を飛び出したンです。

事情を長時間、

聞いていました。

ただ先方の言い分は聞いていませんから、

本当の処は・判りません。

何があっても・暴力は許せない行為である。

コレが正論だと思います。

しかし、

かく言う私も、

同じ経験者でも・あります。

感情のコントロールに自信は・ありません。

今・思いますのは、

相手に対して特別な甘えがあること、

あと、

自分が弱いからです。

経験者の私の自己評価です。

でも、

同性同士ですから、

何故に彼がキレたのか・は、判ります。

最低限の【男】独特の【面子】を、

奥方が潰したからです。

それが・なきゃ、男じゃねぇよ・

そんな【独特】の最後の【砦】ってモンが、

男には・あります。

その【砦】のために、

男は・外で戦っているンです。

その【面子】のために、

男は、世の中の不条理に耐えて、

女房・子どものためと、

自分を責めながら、

頭を下げて、

時には、

自分を大きく見せてのやせ我慢し、

頑張ってるんです。

この私も全く・同じです。

でも、

悲しい現実は、

そんなこと家族はお構いなしですから。

奥方も・気づいていないと思います。

女性は子育てで必死ですから。

ただ言った台詞は、

間違いなく【男の面子】を潰したと思います。

彼は手を出した自分を情けない。

あんな態度と・あんな台詞を吐いた奥方を許せないと。

正直な人です。

で、

どうするんだい?

俺が奥方に言おうか?

それとも・いっそ・別れるかぃ?

〇〇君、ハッキリ言いましょう。

夫婦の問題は、

全面的に女房方に決定権が・在るモンだ。

それが悲しい現実だ。

俺が出来るのは、

何が地雷だったのかを説明すること位だぞ。

でも、

その100倍は、

お前の駄目さ・を、言ってくる。

それでも、

俺に頭を下げて欲しいなら、

何遍でも・俺は頭を下げてヤルがな。

人間、

相手が嫌になると、

箸の上げ下ろしまで、

気に入らなくなります。

まして、

所作全般、

声の大きさ、

話し方、

挙げればキリがありません。

そして、

女性という生き物は、

先入観を持ったら、

話し合いなど・全くできません。

この積み重ねを、

彼は彼なりに、

辛抱もし、

我慢もしたんでしょう。

こういう日常が続くと、

根を上げるのは男です。

そこで、

他に女性を作るか、

あえて、

恐い女房殿との愛情ゆえに、

更に更に・頑張って我慢し続けるか。

で、

そんな彼の苦労を知らぬ・

奥方が地雷を踏んだんでしょうね。

地雷は1発で破滅ですが、

女性の地雷はマシンガンの連射です。

どうなりますか?

男は木っ端微塵ですよ。

で、

奥方への愛情も強い故に、

でも、

我慢も沸騰点に達したンでしょう。

これも・私自身です。

暴れたんでしょう。

彼は一生・言われる筈です。

DV夫だと。

テレビのワイドショーで、

その類の報道がある度に、

横目で睨まれて、

あなたと・同じね!

反省して観ているの!

最近の事件の報道がある度に、

同じパターンを経験するでしょう。

奥方も日頃の文句を亭主にぶつけるのは構いません。

でも、

相手にも、

学習を求めるならば、

奥方も、

やり方を変えて頂きたいと・思いますね。

【男】が言われて1番・嫌なこと。

子どもたちは・あなたが居ない方が

ノビノビできるのよ!

あなたが居るだけで【家族みんなが窮屈】だわ!

機嫌をとろうと・近づくと、

近寄らないで・気持ち悪い。

いや~・キツいですよ。

留めを刺す言葉は、

親・兄弟のこと。

彼は2度目の結婚なので、

前の奥さん・子どもに棄てられた癖に。

う~ん。

お相撲にも、

レスリングにも、

格闘技と言えどもルールがあります。

その範囲内での夫婦喧嘩なら、

ここまで大袈裟にならんでしょう。

で、

私ですか?

奥方に電話しましたよ。

奥方ですか?

師匠の私に・こんなこと話しして・

ケシカランって・怒ってました。

長時間・無言でしたね。

でもね、

奥方が聞く耳持たず、

話し合いなど・拒絶でしょっ。

やっと話し・しても、

会話が成り立たないようにするでしょっ。

彼の言い分を素直に認めた経緯がありますか?

私が一方的に語って・います。

このままじゃ、

彼は家に帰れません。

子どもに合わせる顔もありません。

そんなに彼は駄目男でしたか?

みんなの喜ぶ顔を思い浮かべて、

彼は頑張っていたことを私は知っています。

それでも、気持ち悪いですか?

〇〇君は、今日はホテルに泊めます。

明日は帰らせます。

鍵かけたり、

子ども〇抱えで留守にしては・いけませんよ。

少なくとも彼は・奥方に愛情を深くお持ちです。

くれぐれも・男のプライドだけは、

グサッと刺さないで・ください。

あと、

無視も止めてください。

そんな処だったと思います。

彼から電話は、未だに・ありません。