師匠と娘


中学3年ともなると、

学校側が出して来る宿題も、

なかなか【考えて】いるようです。

【仕事】を通じて【分野】を掘り下げてきた【誰か】に、

インタビューし、

その【聴き語り】を書くこと・ですと。

コレは娘が・頭を抱えるのも判ります。

私の患者さんの多くに、

このテーマにピッタリの方は・大勢に居られます。

が、

プライバシー重視の医療機関を自負する私とすれば、

娘可愛さで、

患者さんを世間に公開する訳には・イキません。

コリャ・困った!

で、

困った時の【内藤頼み】と云う私の必殺技。

直ぐに、

師匠である内藤正裕先生に電話。

カクカク・云々と云う塩梅でと、

師匠に・掌を合わせての毎度のお願いを。

ワッハッハ!

三枝君も、娘には敵わないわなっ!

良いでしょう!

お引き受けします!

この内藤が、シッカリと・お引き受けします。

写真から何から何まで、

使ってもヨロシイ!

ヤッパリ持つべきは・暖かい師匠です。

内藤先生との四半世紀に渡る資料を

娘に初めて・見せました。

半端な量では・ありませんよ。

先生のメモ書き1枚まで・丁寧に、

年譜を表記して残しています。

ノートも何冊にも・なりました。

会う度に、

私は師匠の100円ライターを取り上げるのです。

で、

私のと・交換。

日々の・至福の一服の際に、

師匠の暖かみを・実感するためです。

この100円ライターも・何十個にも・なりました。

先生の講義のビデオテープ。

ぜ~んぶ・娘の前に。

父とは、

床に寝そべり鼻くそ・丸めって、

今まで思ってたんでしょう。

典型的なA型人間・歯科保存学専攻のマメさを

思い知ったか!

と云う私。

娘にとっての内藤先生とは、

父の診療所の診察台の・真正面に飾ってある【写真】の人。

診療所のホールの壁に掲げた

【聖ヨゼフ】の絵画を描いた画家のお孫に当たる方。

父と患者さんが面談の際に、

患者さんが座るアンティーク椅子を頂いた方。

父の机に置いてある【分厚い聖書】を贈って下さった方。

娘にとっても・身近な存在では・ありました。

幼い娘は・先生に何度も会っています。

が、

私の診療所には【内藤空気】に満ち溢れていますから、

当たり前な存在だったンでしょうね。

数日間、

娘は資料の中に埋没していました。

で、

パパっ、準備はオッケーよっ!

こうして、

師匠と娘は会談したのです。

昨夜、

娘の原稿がテーブル上に置いてあるのを・見つけました。

フムっ?

【夢を追いかけて】と云うタイトル名で、

その原稿は進められていました。

先生の声が聞こえてきたのです。