インプラント・オーバー入れ歯の臨床


上顎の総入れ歯です。

随分と前に・私が造ったモノです。

10年近く・全く【定期検査】に・お越しになられませんでした。

突然、

再びのアポイントメントが入りました。

で、

私は・目が点になったのです。

普通なら【写真に記録】するんですが、

あまりにも・驚いて、忘れてしまいました。

というか、

視たくなかったのです。

というのは、

私処が遠いってんで、

他所に転院されていたんだそうです。

で、

なんか緩くなった感じがしてきて、

そこで、

入れ歯の修理したんだと。

そっから・全く使いモノにならなくなった!

慌てて、

私に怒られるのを覚悟しつつ、

恐る恐る、

電話したんだそうです。

私ですか?

爆笑してお迎えしました。

私の造った入れ歯は・悲惨な姿。

患者さんの粘膜は・悲鳴をあげていました。

それでも、

入れ歯を修理して使いたいと願うは、

作り手の親心です。

で、

上顎の4カ所にインプラントを埋入し、

この

コレらを支えと維持の補助にしようと。

模型で視ると・こう言う感じですかね。

この装置の上に、

このようなキャップが入り込んで、

入れ歯の維持装置になるんです。

入れ歯の裏側には・装置の入り込む凹みを形成しています。

模型上でキャップを取り付けた所見です。

もともとのインプラントには・予め、

このようなアバットメントが準備されています。

ですから、

インプラント体にアバットメントを連結し、

こういう状態ですかね。

で、

維持装置を次いで連結します。

これで・患者さんサイドの準備は・完了。

続いて、

キャップを入れ歯に組み込む操作です。

綺麗に修理した入れ歯を口腔に入れて、

噛んで頂きます。

20ミクロン程度・浮いています。

で、

一気呵成に、

インプラント維持装置の部分に大きな【穴】を空けました。

穴の空いた部分に、

柔らかい状態の樹脂を流し込み、

一気呵成に、

口腔内へ、

で、

ギュゥ~ん・と、

シッカリ・噛みしめて7分間。

後は、

樹脂のはみ出しを綺麗に取り除いて、

研磨してオッケー!

処置あとに、

患者さんの目が驚いていた事は言うまでも・ありません。

診療所で、

大きな草加煎餅をバリバリと、

召し上がって頂く光景は、

いつもの入れ歯治療の決まり事。

〇〇さん、

定期検査来てね。

毎回の些細な【調整】が、

長持ちの・秘訣なんだから。