日別アーカイブ: 2013年12月3日

青春坂

 伊集院静氏も私の贔屓な作家である。

 私は氏の文章を美しいと感じている。
歩んできた人生の重みを感じる人である。

 人生には様々な坂を上り下りするが
青春坂と云う坂があれば一気にかけ上がる坂である。

 氏の新作の冒頭の言葉である。

 私も既に初老の域に達しているが
未だに坂を登っている途中である。

 今、様々な辛苦に嘆いている人も
大勢おられるであろう。

 其れでも元気を出して欲しい。
大地と空と海の精霊が
必ず護ってくれように。

歯科治療は技術職

 朝一番の初診の患者さんを
一通り拝見したる後、
歯科衛生士の宮田君に
プラークコントロールの為に
引き継いで
昼からの手術を控えて
一服中の最中にある。

 初診の患者さんは
他の医院にて
奥歯にインプラントを受けていた。

 インプラントの直径の選択ミス。
インプラントの深さが浅い。
インプラントを入れる位置が
二ミリ程アマイ。
アバットメントの選択ミスからくる
クラウンの形状の悪さ。
付着歯肉の喪失からくる歯肉の萎縮。

 今後、対応が大変である。

 良いインプラントを使っているのに惜しい。

 歯科の治療は技術職である。

 手術に際しては
勝負処に勇気が。
守り処には理性が。
攻め処には技術が。

 但し、何よりも大切なるは
診断と治療計画である。

父から観た倅

 私の若い時分を振り返り観れば
他人に自慢出来る様な
模範的青年では決して無かった。

 周りの人間との
協調性にも欠けた
一匹狼で
好き勝手に
生きてきた見本の様な私である。

 偶々、歯科と出会い
その仕事柄
自分自身の芸と向き合うだけで
成り立つのが
幸いしたが
此れが他の仕事に就いていたならばと
我ながらゾッとする。

 一人息子に対して
人並みに
秘かに心を痛める私であるが
此の倅、
確実に私の遺伝子を引き継いでいる。

 私の歩んできた様な
生き方だけはさせたくないと
倅可愛さで
アレコレ気を回すが
倅の方は
私の心配などどこ吹く風である。

 私は倅が
私の跡を継がなくても良いと
思っている。

 一度しかない人生である。
倅が越後の大地に生きていくなかで
なんぞ自分の血に合った何かを
必ず見付けるだろうと
じっと待つばかりである。