月別アーカイブ: 2014年6月

歯科治療において大切な事 その3.

よく材料の違いばかりを強調する歯科医がいらっしゃいます。

材料は料理で言えば素材です。
素材の良し悪しは確かに大切です。

ですが、幾ら産地が良くても、鮮度が落ちたならばどうでしょう?

また、素材が良くても、調理の方法が悪ければ、どうでしょう?

突っ込んで、素材が良くて、名人の為せる技から生まれた料理でも、
其れを食するお客さんが、それが嫌いか、アレルギーで食べられなかったら、どうでしょう?

歯科の治療で使われる材料も、これとほぼ同じです。

物事は何物も、一方からだけ観てはなりません。

あらゆる角度から鑑みて、ベストとは言えなくても、ベターな選択をした方が
結果オーライとなる事も多いようです。

症例報告等を拝見してて、例えば長石系セラミックを使用して治療しました!的な写真がよく掲載されていますが、
全体像を眺めてみると、あえてそうした事が致命的なトドメとなっている場合も多く観られます。

プロの仕事と云うのは、敢えて言わせて頂くと、奥が深いものなのです。

何事もバランスが大切であるのは、皆いっしょですね!

歯科治療において大切な事 その2.

私が生涯の師である今は亡きレイモンド.キム先生と初めてお会いした時に言われた言葉を時々、思い出します。

ー 普通に考えて、患者さんが歯科医に望むことは、速い、痛くない、値段が安い、綺麗にだよね! ー

なるほど、その通りでしょう!

その後の言葉は続きます。

ー その結果はどうかね?触った処、治した処は長持ちしているかね? ー

ー 治した処ほど悪くなっていないかね? ー

レイモンド.キム先生はロサンゼルスで開業医をされていた、スーパー名医でした。
我が国に於いても、先生の名前を知らない歯科医はいないでしょう。

ー キチンと治療するためには、治療の各ステップを1つづつ踏まなければならない。だから速く、速くのスピードを競っても
  治療成績とは別のものだよ!
  綺麗な健康的な環境を造るためには、手術が必要な場合がある。
  手術をしないよりも、する方が痛いよ!
  手間を掛けて治療する方が、流れ作業的な治療よりも値段は高くなる。
  そう言う意味では私は、患者さんの望まない事ばかりしているが、患者さんが減ることはない。
  結局、歯科治療とは患者さんが望むことよりも別な処に、鍵が在るんだと思う。
  これから貴方は、その壁と生涯、戦う事になるでしょう! ー

その通りでした。

20年以上前に、先生から言われた言葉と私は、格闘を続けています。

目先の親切よりも、将来の感謝をと、私は自分に言い聞かせて臨床生活を送っています。

先日、朝のワイドショーで歯に関する話題がありました。

その日の内に、安い価格で、白い歯が入る!と云うものでした。

既製の半完成品の人工歯を、余分な処をハサミで切り取って、固めて、歯にくっつけると云う代物です。

戦前、戦後の、歯周病治療の概念が稀薄な時代に、色は金属色でしたが、同じような物がありました。

後の時代になって、散々、歯周病の原因や噛み合わせ病の原因だと木っ端微塵な位に、批評された治療方法です。

歯科界が幾ら不景気で、患者さんの獲得に躍起になっているとは言え、また同じ轍を踏むのでしょうか?

この紹介されていた方法は、テレビ眼で見ても、被せ物と削った処の境目には、大きな隙間がありました。

コンビニの握り寿司を食べても腹は壊しませんが、常日頃から私がこき下ろす回転寿司はコンビニの握り寿司よりもマシだと思っています。

この紹介されていた方法は、コンビニの握り寿司よりも酷い代物だと私は自信を持って言い切ります。

歯を失って初めて判る辛さを、決して味わうことの無いように、耳障りの良い言葉と話題に御用心!

私の仕事 その2.

私は変わり者、変人なのだそうです。

近所で開業しているJ医師などは、自分の患者さんに対して私の事をわざわざ、キチガイだと話をしている様です。
(本当の話です!転院してきた患者さん何人からも直接聞いた話ですから)

日本歯科大学の藤井教授からも、何度も先生は変わってますよね!と聞かされます。

ですから多分、私は変わっているのでしょう!

幼い頃から職人仕事を眺めるのが好きでした。

大工、鮨屋、板前などなど、職域問わず、
自分が出来ないくせして
職人モドキか、本物の職人かを見極める選別眼だけは持っていた様に思います。

興味をもった職人さんの仕事振りを、何時間でも楽しんで眺めている子供だった様に記憶しています。

この興味を持つと云うのは、仕事の内容ではなく、その職人さん自身だったと今でも記憶しています。

凡そ良い職人さんと云うのは、職域問わず、皆さん似たような仕事姿で仕事に向かい合っていますし、
皆さん同じような事を仰られます。

子供心に、それだけは気づいていたように思います。

ー みんな平均値しか考えてませんから。先生は理想に向かって走ってるでしょう? ー

つい先日、藤井教授から言われた言葉です。

ー 先生は確かに苦しいと思いますよ!だから、みんなが変わってると言うんですよ! ー

先日、俳優のSさんが興味深い言葉を仰られていました。
Sさんは有名な時代劇俳優で、S様!とファンのおば様方から追いかけられる所謂追っかけられ?の元祖で、私も幼い頃から画面に釘付けになって観ていたものです。

ー 芸のあり様に、つまり演じ方を考えて考えてね、自殺しようと考えた事は二度や三度じゃありませんよ!
  一座を閉めたのも、一緒に演じたい役者さん達みんな死んじゃったからね!
   舞台は独りではできませんから。 ー

天晴れ!役者の鏡!其れでこそ千両役者!
と、声をかけたくなるのは私だけでは無いでしょう?

楽しんで歯と向かい合って来ました。
いつか人生の幕をしめる時に、駆け抜けた人生だったと思える時間を過ごしたいものです。

伊集院静氏の小説の言葉じゃないですが、
青春坂を今でも一気に駆け昇る情熱、歯科への情熱は持ち続けています。

ー そんなに歯が好きなのは変わってますよ! ー

私は歯医者です。

歯医者が歯が好きで変わっているのなら、私は変わり者の極みになりたいと思います。

歯とは、それほど迄に、魅力的な宇宙のようなものです。

私の仕事

土曜日の夜も、ゆうに10時は回った頃に、日本歯科大学の藤井教授からの電話をとりました。

普段で在れば、既に床についている私ですが、藤井教授からの予めのメールで、
読書をしながら、眠気眼を擦りつつ此の電話を待っていました。

藤井教授は全身管理科の教授で、専門は麻酔学です。
学校法人.日本歯科大学の理事で、新潟生命歯学部の教務部長を務められています。

学校を一般の会社で例えるならば、藤井教授は役員で、新潟生命歯学部の教育に関わる全ての責任を統括されている責務者と云う事になるでしょう。

彼は歳こそ私の一つ上だったと思いますが、学年は私よりも一つ下の後輩にあたります。

六年程前に、彼は教授の任に就きました。

所謂、ごぼう抜きの大抜擢と云うものです。

私は学生時代に、彼とは小さな単科大学ですから顔こそ知っていましたが、会話を交わす機会は一度も無かった様に記憶しています。
彼は真面目な優等生!私はヤンチャをそのまま形にしたような若者でしたから。

その様な私達が、何故に接点が出来たのかというと‥‥。

何時の頃のことか、それは忘れてしまったのですが、歯科医師対象にインプラントメーカーが主催した私の講演を
聞きに来られていた先生から、後日、診療所にかかってきた一本の電話からでした。

その電話の後、何回か会ってお話しを交わす機会を持っての私の先生への印象は、
彼はバリバリの熱血日本歯科マン!である事です。

あの愛好心の深さ!そして母校の学生諸君への教育への情熱!
学長先生が、彼は大変頭の切れる人間なので、彼を教育の重責に置くのが良く理解できます。

藤井先生が教務部長になられた六年前に、突然、私の診療所に電話が入りました。

ー 先生、申し訳ないが、うちの学生達に特別講演して下さい! ー

‥‥‥?

なんの話をするの?

ー 先生が毎日どんな暮らしをしてて、どんな仕事をしてて、何を考えているのかですよ! ー

そんなんでエエの?そんなんが何が面白いの???

ー イイんです!先生は変わってますから! ー

心配になった私は、思わず学部長に電話をかけました。

ー 藤井に聞いてるよ!頼むよ!タイトルは、そうだな~素晴らしい仕事.歯科治療!ヨシ!それでいこう! ー

長い間、歯科の先生方へは講演してきた私ですが、母校の学生諸君へと言われれば正直、抵抗がありました。
講演を請けた以上は、責任をもって完結させねばなりません。

それがプロの仕事だからです。
ですから、学生諸君の心に残る話をする自信がなかったのですが‥‥。

今年の10月にも、この私の講演がある事を、藤井教授からの電話で聞かされました。
これで日本歯科大学の学生は、1年坊主から6年生まで、みんなが私の講演を聞いてくれた事になります。

嬉しいもので私が校門を入ると誰かが、走って近寄って、

ー 先生!お越しですか? ー

医局へのエレベーターまで鞄を持ってくれます。

在る時は、倅と末の娘と繁華街を散策していると、会釈をされ声を掛けてくれる学生達に驚かされます。

私は心から歯科の仕事を楽しんでいます。
そりゃ、苦しい時も何度もありましたし、しんどいですよ!

でも、仕事って、そう言うものでしょ?

仕事に向き、不向きなど無いんじゃないですか?

仕事に自分を合わせる、仕事を自分に合わせると、私は思っています。

私は本当に歯医者になって良かったと思っています。
歯の魅力は奥が深すぎて、とても時間が足りません!
生まれ代わっても、また私は歯医者になりたいと思います。

17の歳に歯医者に成ろうと思ってから、日本歯科大学の門を叩いて、
ヤンチャの限りを尽くした学生時代、そして新人医局員を経て、
今まで私が何を感じて、どの様にもがいて歩いて来たのか。
私の治療を通じて面白、可笑しく、漫談風に私の講演は二時間程つづきます。

今は亡き小倉英夫学部長がつけて下さったタイトル通り
【素晴らしい仕事.歯科治療】の仕事に就けた幸運に感謝しながら、私は毎日を患者さんと向かい合っています。

歯科治療において大切な事 その1.

【歯科用金属について】

昨日のブログで、お話しにあげた私をビックリ仰天させた歯科医のホームページを怖々眺めていました。

ー 保険の治療は良くない! ー

と、彼は結論づけていました。

其れならば、保険医を辞めれば良いのに!と思うのは私だけでしょうか?

私は健康保険の治療は、この20年程はしていません。

なにも私が、保険治療を拒否している訳ではありません。

歯で本当に困った方だけを対象に、仕事をして来ました。

ですから、私の患者さんは歯科には懲りた方ばかりです。

でも、この様な患者さんは、よーく判っています。

恐らく、私の想うように、私の腕がなる様に、仕事をさせてあげたいと思ってくれるのでしょう!

また、私の診療所で患者さんに関わるコストが、例えば衛生管理など、他とは違う位の手間隙を掛けている事に
気づいてくれて下さっているのだと思います。

先日、新聞やテレビで、歯を削るタービンの使い回しについての報道がありました。

今更なにを!と云うのが私の感想です。

タービンに限らず、他の器材についても不潔!と云うのが、私の他の歯科医院へのコレマタ感想です。

私の治療は、費用的に高いか安いのか、私には判りません。

が、最近ではホームページ上で治療価格を公開している医院も増えてきていますが、
其れを観ての私の感想は、

ー こんなんで高かーい! ド心臓の持ち主! ー

です。

話が本題から逸れましたが、その歯科医師の持論によると、
保険の金属では、削った処と被せ物の境目がピッタリ適合しない。
それに対して、高い金属はピッタリいくのだ!
後、‥‥講釈は続く!の世界でした。

理屈は正しい様で、現実は?

削った処をピッタリと適合させるには多くの要素を満たす必要があります。

1.歯科医が、とっても綺麗!に歯を削っている事

2.とっても綺麗に歯型が採れている事

3.精密な技工環境で人工歯が造られる事

4.上手な歯科技工士に造って貰うこと

5.延びの良い金属を使う事

ですから、幾ら値段が高い金属を使っても、腕が悪ければ意味がありません!

私達歯科医は、材料屋ではありません。

歯科の仕事は手作業ですから、良い結果を得るには手間隙をかけなければなりません。

良い材料を使うに越した事はありませんが、

数寄屋治郎で出されるマグロを素人が使った処で、名人芸のなせる技から生まれる本物の鮨が生まれる筈が無いのと同じです。

歯科用金属の良し悪しよりも、別な処に良い歯科治療の結果の極め手が在ると言っても過言では無いでしょう!

歯科金属アレルギー その1.

先日、初診でお越しになられた患者さんから面白いものを見せられました!

他の歯科医院での金属アレルギーの検査結果でした。

所謂パッチテストの検査結果でしたが、興味をひいたのは、
その検査項目でした。

歯科治療で使われる金属は、殆ど見当たりません!

金属には、大別すると貴金属と卑金属とに分けられます。

貴金属は金を多く含有しているもの、対して卑金属は金含有率の少ないものと考えて下さい。

歯科治療で使われる金属の中で、比較的金を多く含有しているものとして、12%の金を含有したパラジウム合金が代表的です。

この金属に対してアレルギー反応を示す患者さんは非常に稀です。
ですから、健康保険の対象として国からの認可をうけています。
この金属は合金ですので、金やパラジウムの他に多くの金属が混合されています。

先のパッチテストの検査項目には、それらの様々な金属など含んでおりませんでした。
金属の中にはアレルギーを起こしやすいものがあります。

私が驚いた理由は、歯科治療で使われる機会のまず無いにもかかわらず、アレルギーを起こしやすい金属ばかりで
検査が為されていた事です。

検査結果で、多くの陽性が示されており、当然の結果として患者さんはガッカリされておりました。

ー 貴方は金属アレルギーが多いですね!治療で金属は使えませんからオールセラミックを使いましょう!
  但し、保険がきかないので、実費診療で〇〇万円になります! ー

医学を学ぶ者全てに、道徳教育を義務化すべきと考えるのは私だけでしょうか?

歯科治療と金属アレルギーの話が出たら、押さえておかなければ為らないポイントを挙げます。

1.金属アレルギーは遅延型アレルギーです。

2.パッチテストは完全ではない。

3.オールセラミッククラウンの代表選手であるジルコニアクラウンは、
見た目には金属は見えないけれども、多くの金属成分を含んでいる。

4.オールセラミッククラウンを歯に接着させる材料であるレジン成分にもアレルギー源となる場合がある。

歯科治療において私が参考にしているのは、女性が身に付ける宝飾品です。

普段に気軽に身に付けるイミテーションの宝飾品で、アレルギー反応が無ければ、ほぼ大丈夫と考えて良いでしょう。

私は健康保険の金属が悪いとは考えません。
但し、ながーい歯科医師人生を送っていると、様々な経験もしました。

患者さんの口の中に、規定から外れた廃価格の金属が入れられているのを観て、驚いた時も多かったのは事実です。

いずれにせよ、金属アレルギーに御用心!の言葉に踊らされることはありません。

歯科治療と金属アレルギーについては、新潟大学歯学部病院のものがよく説明されておりました。

私の診療所 その5.

私は歯科医師になりたくて、この仕事に就きました。

私が日本歯科大学の門を叩いたのは、この大学が我が国最初の歯科医学校である事と、
国からの助成金を貰わないで歯科医の養成を行う自主独立の精神を貫いている事をあっぱれと感じ入ったからです。

この自主独立の精神の教育は、完全に私の人間形成に影響を与えた様です。

私は自分の望んだ仕事に就けた幸福を感謝して、毎日を歯に接しています。

私は患者さんに労りの気持ちを持ち続けると共に、患者さんと共に笑い、泣き、歯科医人生を送りたいと思っています。

そう言う意味で私は、情熱の歯科医でありたいと思っています。

昨日、お越しになった新患の患者さんのレントゲンとお口の状態を拝見して、
思わず血圧が高まっていく自分が解りました。

患者さんは長きに渡って、他の歯科医院で治療済みの歯の痛みに苦しんでおられました。

レントゲン写真でハッキリと、根の治療がいい加減な上から、歯を被せておられました。

痛みが取れないのは当たり前!

私はこの歯科医とは面識はありませんが、ホームページでくどく、頻繁に自己ピーアールに精を出しておられる方でしたので、
少しはましな診断力と器用さを身に付けておられると思っていました。

歯科医学は、歯科医が自分のプライドと自己顕示欲を満たすためにあるのではありません。

歯や歯茎、顎等の痛みで苦しんでおられる方を速く確実に痛みから開放して差し上げて、
噛めない方には快適な機能の回復を、見た目で哀しい想いの方には自信を持った笑みの回復を、
それが歯科医学である筈です。

私は歯科医と云う仕事は職人仕事だと思っています。
自身の芸を磨く事に日々を過ごし、その仕事の評価は自身の胸で判るものだと思っています。

ですから、私はこの様な人種を好きにはなれません。
それでも、キチンとした仕事が出来ていれば、まだ救いはありますが、

どうもこの歯科医は国立大学を卒業されて、某分野の専門医でもある様ですが、
その仕事振りを見る限り、申し訳無いけれども、素人に毛がはえた程度にしか感じられません。

プロとしてケシカラン奴か、或いは本当に自身の事をホームページ上での評価をしているならば、
余程のアホウとしか言いようがないと呆れつつ‥‥。
ついよせば良いのに、この歯科医のホームページを開いて、
そのアホウ面を眺めた私です。

冷静さを取り戻し、また診療に入りましたが、これからこの新しい患者さんが少しでも歯の関心が増して下さる様に
歯科衛生士と共に汗を流していきたいと思っています。

これからインプラント治療を受ける患者さんへ その20.

これ程までにインターネットが普及した昨今です。

どの歯科医院でも、自身のホームページ上でインプラント治療の宣伝に躍起なのが現状です。

ですから、インプラント治療についての基本的な事柄については、皆さんご存知の通りです。

では何故、いざインプラント治療となったら、皆さんは躊躇されるのでしょうか。

それは、先ず高額な治療である事。

そして高額な治療であるからこそ、キチンとした治療を受けたいとハッキリと自覚できるからに違いありません。

私は歯科医師です。

ですから、眼科は専門外です。

もう初老ですし、マイクロ.スコープを使った歯科治療を始めて15年程になります。
ですから、通常の歯科治療よりも随分と眼を酷使して来ました。

元々の遠視に加えて、その様な生活をしてきましたので、老眼の進行は普通の方よりも速いと感じています。

歯の治療に関しては、顕微鏡の世界で生きていますので支障はありません。

が、論文を読んだり、書いたりする時間も1日の中で随分と大きなウェートを占めています。
この様な時には、随分と眼が疲れる様になりました。

老眼のレーシック治療についても、最近ではあちこちの眼科で観られる様になりました。

でも、患者の立場としての私は、今現在、躊躇しています。

恐い!長持ちするのか!この医者は大丈夫なのか!

歯科におけるインプラント治療を考えている患者さんと私も同じでしょう?

ですから、インプラント治療を勧められた患者さんが色々と悩むのは当たり前です。

だからこそハッキリと言わせて頂きます。

インプラント治療は、従来の歯科の治療の概念を越えた治療です。

医師の知識レベル、指手の器用程度、診療所の衛生概念、インプラント治療歴等々、
キチンと調べてから治療を決めるべきです。

この先生は優しそうだから、医院が近所だから、値段が安い~などで決めると
後から後悔する事になるでしょう。

専門バカ!

もしかしたら私は悪い医師かもしれません!

だってそうでしょう?

巷の医師や歯科医師が云う事を全部実行できますか?

ー 人間は善い事をしながら悪い事をし、悪い事をしながら善い事をする。 ー

池波正太郎の小説によく出てくるフレーズです。

お前に言われんでも判っとるわぃ!

的な言葉は、私は患者さんには言いません。

あくまでも然り気無く、然り気無くです。

ただし治療の結果に影響がある場合は、リスクの話はします。

例えば、喫煙です。

それさえも、私は煙草をやめろとは言いません。

煙草と発ガンのリスクよりも、CT被爆の方が発ガンのリスクが高い事を医師の口から聞きますか?

ある方向から観れば確かに正しいのだけれど、別の方向から観れば誤っている的な物事の見方をする人が、
医療関係者には多いように思えてなりません。

金属アレルギーについてのコメントも然りです。

歯科医師のコメントを観てみると、正しい様で正しく無い。

これは飛躍しすぎだろ!的な説明が多いのに、頭の程度を疑ってしまいます。

余談ですが、金属アレルギーのコメントについては新潟大学歯学部病院のものが、よく出来ています。

私は大人の男として、紳士の対応を心がけています。

だって子供が、そうでしょう?

口喧しい親の云う事を聞きますか?

私は患者さんが大切です。

だからこそ、時間を掛けて、じーっくりと徐徐に気づいて頂ける様に、
段々と健康に関心をもって頂ける様に、ジワジワ行っています。

私は此れが対人関係の勘所だと思っています。

根の治療 その1.

インプラント治療や入れ歯の治療を希望してお越しになられる患者さんが殆どですが、
今日、私の診療所では珍しく痛みを訴える患者さんからの予約のお電話が入りました。

痛みを訴える患者さんには大変お気の毒なのですが、
私は痛みのある患者さんが好きです。

それは痛みの原因が何処からくるものなのか?を考えさせてくれるからです。

私は、何故?何故?どうして?と考えることが好きです。

自分の知識と経験から、痛みの原因を探り、私の手で痛みを解消することの醍醐味はなんとも言えません。

ー 他の歯科医院で神経を採って、今は仮歯の状態ですが痛みが取れません! ー

なるほど!なるほど!

この様な症例は、私が専門とする歯科保存学の守備範囲です。

ただし根の治療後の痛みについては、その原因究明はとても簡単です。

ほとんどが技術的な問題です。

この様な場合には、速めに転院されるが得策です。

何故なら、出来ない人にやれと言っても無理だからです。

御様子を観てみましょう!と医師が云う場合には殆んどが、
判らないか、出来ないのどちらかです。

痛みが起こるには必ず原因があります。

根の治療後の痛みが起こるのは、

1.根の先に神経が残っている

2.神経を採る時に、器材で根の先の組織を傷つけた

3.神経を採った後の薬が、根の先の組織へ漏れだした

4.神経を採る器材が不潔で、根の先の組織を感染させた

この様に、技術的な問題であるので、
処置は簡単なのですが、難しいのは、
処置をした前の歯科医師の落ち度を言わずに、然り気無く治療を始めることです。

患者さんによっては、どうして痛んですか?何故痛みが取れたんですか?と
追求してこられる方がいらっしゃいます。

あんまり、その辺りを追求されてもと苦労するものです。

ー 処置が不完全か、下手なんでしょう! ー

とは、口が滑っても言えませんので!