日別アーカイブ: 2014年10月30日

インプラントの選び方

今ではポピュラーな治療になった?インプラントです。

ひとくちにインプラントと云っても様々なインプラントがあります。

メーカーによって器具や道具が違ってきます。

ですから、大概の歯科医院では何処其処のメーカーのものと決めているのが通常です。

私も当初の時代にはブローネマルク.インプラントを使ってきました。
当時のブローネマルク.インプラントは、インプラントの中の王さまと云って良かったでしょう。
チタンと骨との結合条件を発見したブローネマルク博士の開発したインプラントであったからです。
メーカーの歯科医向けの講習会の講師もしていた関係で、
このシステムだけで10年程、浮気しないでインプラント治療に携わっていました。

しかし全てが万能なインプラント.システムがある筈はありません。

優れたシステムでしたが、ヤハリ欠点もありました。

欠点は欠点として、工夫し補いながらの毎日でしたが、
時代を経ていくに連れて
その欠点を補うシステムも次々と出てきました。

先行するモノの定めでしょう。

ブローネマルク.インプラントと併用して、同じスウェーデン製のアストラテック.インプラントを使い始めて14年程になります。

このアストラテック.インプラントは随分と気に入って使ってきました。
歯周病治療の大家であるイエテボリ大学のリンデ教授が開発に携わっており、
ブローネマルク.インプラントの開発に携わっていた研究者やエンジニア達がアストラテック.プロジェクトに参加して、
ブローネマルクの欠点を解消していたからです。
このアストラテックの講師も遣らせて頂いていました。

ある時期から、他の医院でインプラント治療を受けた患者さんが来院される機会が増えました。
ここで様々なインプラントの実際を身をもって体験出来ました。

よく考えて造っているものから、オット!そんなのアリ?と云ったインプラントも目にしました。
少し位のトラブルに際しては、なんとか工夫して対応しています。

そんな風で、結局は殆んどのメーカーのシステムが揃うに至りました。
メーカーのご協力のお陰ですが。

で、行き着いた結論は、インプラントそれぞれの特徴を活かして、
症例によって使うインプラントを変えよう!と。

中心はアストラテックとストローマンですが、
スウェーデン&マルティナ.インプラントもそのラインナップに追加しようと思っています。

私は〇〇インプラントを使っています!
〇〇インプラントだから安心です!
等と云った商業コピーは、最早時代遅れの不勉強でしょう。

インプラントは材料に過ぎません。
が、使う場面に応じて変えるのが正しい使い方だと思います。
内科医が症状に応じてクスリを変えるのと同じだと思います。

私としては、インプラントの材質はチタン合金ではなく、純チタン製で、
構造としては3ピース構造のシステムが基本だと思っています。

それぞれの部品の連結状態にメーカーの考え方が反映しています。
私は、この辺りの考えの違いを、症例に応じて使い別けています。

最近では、価格重視、治療期間短縮に重きをおいて、コマーシャルされているインプラントも見かけます。

このコマーシャル通りの結果を、私は自分の症例での長期のモノを持ち合わせていません。

また、実際にインプラントをと決意された患者さんの選ぶモノは、
確かな実績のあるシステムであったのも事実です。

この辺りが興味深い処で、関心があると云うオーダーと、実際に選ぶ事とは違うと云うことです。