日別アーカイブ: 2015年1月14日

インプラント治療のトラブル対応策

先のブログにて紹介させて頂いたインプラント治療後に唇、頬の痺れが生じた患者さんの現状を報告します。

2年ほど前に他の歯科医院においてインプラント治療を受けてから、このような症状が出た患者さんですが、

恐らくこれがその原因となっているのだろうと思われるインプラントを精査すると、

インプラントと骨の結合が未熟と思われました。

45ニュートンの大きなトルクをかけてインプラントに対して逆の回転で負荷を与えました。

どうやらインプラントと骨の結合が完全に失ったようです。

インプラントが骨と完璧に結合していると、幾ら大きな負荷をかけてもそのまま確りと骨と結合しています。

このインプラントは、結合が未熟であったので、今では少し浮き上がってきているのを確認しました。

骨との結合を失ったインプラントは、異物である為に、身体から排除されるのです。

患者さんの唇と頬の動きが正常になってきています。

異物が排除されるに従って、傷んだ身体は治っていくでしょう。

一月程、症状の回復程度を観察して、痺れが少し残っているようであれば、

外科的に傷んだ神経に対して手当てを行う積もりです。

が、この症例については、恐らく自然と治癒に向かうと思います。

噛み合わせによる頭痛については、次回に新しいアバットメントと仮歯を入れて快方に向かうでしょう。

安全なインプラント治療を行うには

今年に入ってからのインプラントの手術を予定している患者さんの大半が、

昨年の夏頃に抜歯をしたり、骨造成を行った症例です。

骨が完全に健康な状態になってからインプラント治療に着手することが、

やはり安全な手法であると思っています。

手術の際に、インプラントを埋め込むことに専念出来るからです。

基本的に私は、インプラントの手術に際しては、部分麻酔のみで行っています。

ですから、どんなに広範囲の手術であっても、手術時間は長くて1時間半程度の短時間で終了します。

骨は空気に触れる時間が長い程に、手術後に収縮します。

インプラントの上部の骨が収縮して歯周病の骨のような形になるのを

インプラント周囲炎と言います。

このインプラント周囲炎の原因は、様々言われています。

私の長いインプラント治療の経験から、

このインプラント周囲炎のような骨の吸収形状は、

大半が、インプラントの手術時期が早かった場合と、手術時間が長くて骨にダメージが加わった場合と言えると思っています。

安全で安心なインプラント治療の基本は、先ずはこのような処にあると思っています。