日別アーカイブ: 2015年5月28日

マイクロスコープを使っても

今日、他の歯科医院から転院を希望されて折角にお越しになられた患者さんですが、

申し訳ありませんが、私は神様ではありませんので、

私の能力の出来る範囲のお話をさせて頂きました。

其処でマイクロスコープを使った根の治療を受けられ、その後に続く被せモノの治療の段階で

その患者さんは、主治医に不信をお持ちになったようです。

マイクロスコープを使った顕微鏡治療は、視野を大きく拡大して治療することが出来ます。

但し、大きく拡大できるだけであるという事を忘れてはなりません。

大きく拡大して見えることと、治療成績との間に相関関係がある訳ではありません。

私の拙い力量では、その根の上に長持ちできる被せモノを御費用を頂いて入れる自信はありません。

仮の歯で、ゆっくりと経過を診ながら、傷んだ歯の叫びが和らぐかどうかを

時系列で診断しなければ、確かなことはおいそれとは言えない症例でした。

なんでも、食事も特殊な配慮が必要との半ば強制的な指導も在るとのこと。

私は難しいことは判りませんが、白い艶々のふっくらご飯が食べられないのならば、

なんで歯の治療をするんやろ!と、自然に想うのですが。

歯科の治療の肝心要の処は、

確たる診断力、確かな治療計画、そして正確に動く歯科医の手と指です。

私も長い間、マイクロスコープを使った顕微鏡治療を実践していますが、

拡大することと、出来ることとは全く違います。

継続的な努力の賜

来週、新潟へと出向いた時に、

古町、柾谷小路の眼鏡店にて、再び老眼鏡を買い求めようと思っています。

老眼鏡なら、なにもワザワザ新潟などでなくてもと思われるかもしれませんが、

眼は私の大切な商売道具ゆえに、私はあくまでもこの店に拘っています。

歯科医の免許を頂いて、かれこれ30年近くになりますが、

当時の指導教授のお陰で、歯科医になって直ぐに拡大鏡を使った診療を始めました。

人の欲望とは限りないモノです。

もっと大きく、もっと拡大してと、

診療に使う拡大鏡の倍率はドンドンと大きくエスカレートし続け

今では顕微鏡を使った歯科治療を日常的に行っています。

が、その代償としての眼の疲労と老眼の進み具合は速まる一方となりました。

歯科以外に、とりわけ興味の沸くこともありませんので、

それはそれで構いませんが。

診療の際に、歯を削るハンドピースの先のダイアモンド.ポイントを交換しようと、

診療台の脇のキャビネットの引き出しの中に整然と並べた此の小さなポイント類が

顕微鏡から視界を外して間のない私の眼にはサッパリ焦点が合いません。

ドレドレ?と、

老眼鏡をかけて引き出しの中を除き混む繰り返しです。

そう言えば私の師匠が昔に、

ー ハイ! ー

と声がけすると、アシスタントの女性とは別の、師匠の背後にまた控えたる女性が

師匠から手渡しされたハンドピースの先の器具の交換していたのを思い出しました。

当時は、なんと横着なヤっちゃ!と内心で笑いそうになりましたが、

出来ることならば私も、そうしたい心境です。

私のもう1つの眼となってくれる顕微鏡や拡大鏡の数々は、全てがカール.ツァイス製のモノです。

色々なモノを使いましたが、結局はツァイスに落ち着くのです。

で、眼鏡店においても、同じ事。

此処でなければ駄目!と、結論づけさせる実力と魅力を併せ持つ努力を、

永年、一流処として店を張った処は、し続けているんだと思います。