月別アーカイブ: 2015年6月

やっとの白衣

来月も、多くの新しい患者さんの予約を頂いています。

わざわざ四国という地方都市にまで、脚を運んで頂き、ありがとうございます。

一生懸命、真剣に、患者さんの身にたった診療に努めたいと思っています。

新に歯科医を変えるということは、随分とヨイショが要ったろうにと思っています。

変わって良かった!と喜んで頂けるようにスタッフ一同、自らを戒めて仕事に向かい合っております。

2~3日前より、白衣を着用するようにしました。

大学では常に白衣を着用しておりますが、私の診療所では白衣を着用したことはありませんでしたので、

最初はスタッフも、私の白衣に目を丸くしているのが可笑しく想えましたし、

患者さんからも、

ー あら!先生、白衣着るんだ? ー

と、からかわれました。

料理人にしても、職人が白衣に逆に着られている姿をよく目にします。

また在るときは、ダラシナイ白衣姿も目にする機会も多いのは現実です。

患者さんに対しては、キチンと紳士のタシナミで!との想いから、

私はネクタイにベストでの身だしなみで接して来ました。

それが私の流儀です。

この間、電車の車窓に映る自分の姿に驚きました。

もう若くはないのだと、今更ながら実感したのです。

が、もう白衣に着られる歳ではないとも感じました。

パリッと糊の効いている白衣に身を包んだ鮨職人や、天婦羅職人程にカッコイものはありません。

但し、顔に年季の入った職人でなければなりませんが。

人の年齢からすれば、下り坂の私ですが、

歯の職人としての華を咲かせるダッシュの時期に差し掛かりました。

ビシッと、白衣で歯に向かい合おうと気合い十分です。

歯科医という仕事

小学校に通う娘が3人も居て、おまけに大勢の犬たちに囲まれて暮らしているためか、

仕事が終わると外出もままならず、どうしても家族と過ごす工夫をするようになりました。

猫の額程の庭ですが、木に犬たちを括りつけて、芝生を敷いたり、花木を植えたり、

横で娘たちは、倅が幼い頃に使っていた虫取網や虫籠を納屋から見つけ出し、

走り回っています。

一汗かいた後は、風呂に入り、

そういえば上の娘は急に、私とは風呂に入らぬようになりました。

ー パパ!覗かないでよ! ー

誰がお前の風呂など覗くかぃ!と、思いますが、

とは言うものの、恐がりの娘は独りで風呂には入れないので、

下の二人の妹を従えての入浴です。

ついこの間までは、皆でワイワイ言いながらの忙しい入浴でしたが、

今では独りキリでの淋しいモノとなったために、

これも寂しがり屋の元祖である私は、マリリンと一緒の入浴が日常となりました。

迷惑なのは犬の方で、私が風呂に入る気配を感じると、後退りするようになりました。

診療所ではまた正に戦場のような緊張の連続ですが、

仕事を離れると、普通の普通の何処にでもいるお父さんです。

トレンディ.ドラマに登場する歯科医とは随分とかけ離れた生活を過ごしていますし、

また、かようにハデな生活など送っていたら、仕事になどならないでしょう。

本来、歯科医という仕事は地味な仕事なのです。

そんな毎日ですのに

今日は朝から複数の手術が目白押しに続きます。

手術と手術の合間で、カロリーメイトのブロックをかじったり、

キャラメルを口に放り込んで、現場へと舞い戻っています。

その都度に、院長室の床で寝そべっているマリリンは首を持ち上げて尻尾を振っています。

この表情に、手術での緊張が和らぐのです。

次は、左右の上顎洞底挙上手術とインプラントの埋め込みを同時に行う手術です。

手術前は、いつも緊張するものです。

試合前のボクサーの心境のようなモノだと思います。

手と指が、想いのままに動くように!と、

手と指のストレッチをしながら患者さんを待っています。

で、眼はレントゲン写真とニラメッコ。

1つ手術が終わったら、その症例のことは瞬時に頭から消し去り、

眼は、次の症例へと。

その繰り返しです。

その日の治療が終わったら、その日の仕事の内容が次々と、頭の中に甦ってきます。

あれはこうしとけば良かったかな?

モットこうしとけば良かったかな?

などと、次から次へと反省点が‥。

そのついでに、次に迎える症例への思考を巡らせて‥。

正直、気の休まる時はありません。

私が犬を常に横に侍らせている訳は、犬に助けられてるんだと思います。

幼少期の記憶

今では当たり前のエアコンのお陰で、一年中を快適な環境で過ごすことが普通となりました。

私が幼い頃に、当時では珍しかったクーラーが事務所に届いた時の事を鮮明に覚えています。

電気屋さんが数人で設置作業をしている横で、今か!今か!と首を長くして作業を除き混み、

試運転の最初のスイッチを入れた瞬間に、吹き出し口に括り付けられた細いテープが、

冷たい風に煽られてそよいでいたのに、誇らしい心持ちとなったことまで覚えています。

自宅などにはクーラーなどは、ある筈もありません。

夏は、当たり前のように暑いモノ。

恐らくは、小学校にあがる前の事だったと思います。

団扇で扇いで貰いながらの嫌々の昼寝。

暑い筈であるのに、寝冷えを心配されて、お腹の部分にだけ器用に掛けられたタオルケットの重さ。

うたた寝の最中に、遠くから聴こえてくるワラビ餅売りの鈴の音に、ガバッと起き出して、

お小遣いを手に、サンダルを引っ掛けて鈴の音の方へと一目散に駆け出したこと。

このような話をしてみても、幼い娘たちには判っては貰えません。

パパは一体いつの人?と、云われるのが関の山です。

娘たちにとっての私は、休みの度に父が楽しみにして観ている池波正太郎アワーに登場する昔の人と変わらないようです。

私は、幼少期の記憶がとてもとても大切だと思っています。

その時に感じた感触なり判断なりが、身体の刷り込まれていくんだと思っています。

そのような積み重なりが、その人を創っていくんだと思っています。

ですから、娘たちには当然のことながら、

年は既に青年であっても歯科を学ぶ学生さんは、歯科医学に関しては幼子と同じですから、

私が学生さんと接するに際しては、理屈や理論ではなくて、直感を育てる仕掛けをと工夫しています。

また、私の診療所へと治療に通われるようななった比較的新しい患者さんに対しても、

三枝流の治療をお受けになられるといった意味では、やはり幼いお子さまと同じですから、

共に健康になる手当てについての気づきに、気づいて頂けるように四苦八苦しています。

私の考えるホスピタリティ

最近の傾向として、病院の患者さんへの対応は随分と向上したものだと感じています。

一昔前までの、病院の受付から始まって医者の態度は酷いものでしたから。

患者さんというのは、何処かしら病んでいるわけですから、

そんな時の、優しさなり心遣いは、嬉しいものです。

ホスピタリティという言葉が在るように、病める患者さんに対しては、労りの気持ちを忘れてはなりません。

常日頃、口酸っぱく私はスタッフにたいして【ナイチンゲールの心】を忘れないようにと伝えています。

それが人の身体をあずかる医療人の心得だと信じているからです。

私は、私の診療所へお越しになられる患者さんを、商売上のお客さんだとは思っていません。

確かに私の治療に対しての治療費用は頂いてはいますが、私は営利を追求するために歯医者になった訳ではありません。

最近、しばしばテレビの医療番組などで医者なり受付嬢が、患者さんに対して〇〇様!と様呼ばわりしているのが目につきます。

私の診療所では、ごく自然に〇〇さん!と呼んでいます。

応対も、紳士の対応は心がけていますが、

どちらかと云えば、私は患者さんとはザックバランの自然体で接しています。

お互いがお互いを自然と受け入れることが、信頼関係の第一歩だと思っているからです。

治療する上で、本音から止めた方が良いと想うことは、患者さんの意思とは反しても

率直にお伝えするように努めています。

確かに医療もサービス業ですが、エステサロンや美容院、ホテルの類いとは一線を引くべきであると思っています。

いくら〇〇様!と呼んでみても、心のこもっていない手当ては空虚です。

表面を繕う医療ではなく、弱者に対する優しい配慮こそが、真のホスピタリティだと信じているからです。

治療の方法についても、患者さんのパーソナリティや体力面での配慮も考えて決定すべきと考えています。

チェーンストア風の画一的な、治療は私は慎んでいます。

私の考える【医療行為を行う場所】とは?を何時も頭のど真ん中に置いて、

私の診療所は日々、進歩しています。

お気の毒なのは患者さん!

今日は、ブリッジの歯型採りや、噛み合わせの治療などで朝から忙しく、

今からは、他の歯科医院で治療を受けたインプラントの除去手術が待っています。

歯がない部分に入れたら良いというもんじゃありません!

真っ直ぐに入っていないインプラントを、無理矢理に向きを変えて人工歯を入れられた患者さんは堪ったもんじゃありませんね!

イビツな形の人工歯は、患者さんの唇に引っ掛かり!

この先生、国立大学を卒業しておられるので頭は良い筈なのですが。

患者さんからの悲鳴に、この先生、キレた!そうです。

数本もお気の毒に入れられたインプラントを、なんとか工夫して修正しましたが、

これだけは、どうでもダメ!

そういう訳で、折角のインプラントですが、

これだけは除去させて頂くことに。

大変な処置でしょう!

イイエ!

専用の道具がありますので。

虫歯の治療程度の部分麻酔の後で、1,2,3,エイ!

で、取り除くことが出来ます。

こういう便利な道具があるということは、それだけの需要があるという事です。

イヤハヤ、お気の毒なのは、患者さんです!

心境の変化

私は、診療所では白衣は着用していません。

ホームページの写真と通り、ワイシャツにネクタイとベストで患者さんに向かい合っています。

患者さんからは、よく聞かれました。

そんなときには、私が白衣を着たら散髪屋さんみたいじゃないですか!とか、

私は何時も心に白衣を着ていますからと、キザな台詞で応対していました。

私の医者の白衣に対する印象が悪いのは、どうやら悪い例を観ていたからかもしれません。

毎日、仕事前に、パリッと糊の利いた新しい白衣に交換して患者さんをお迎えする医者に会ったことがなかったからでしょう。

キチンとした仕事をする料理人は、暖簾をあげる前に、顔をサッパリとさせて、

新しい白衣に着替え、腰の帯をビシッと締めるもんです。

ダラシナイ白衣を着る料理人に、良い仕事をする人は居りません。

こういう処から、私も歳をとって来ました。

ソロソロ、白衣に袖を通そうと考えて、カタログとニラメッコです。

但し、良い白衣って高いんですよ!

一着、何万円もします。

の、掛ける5~6枚は取りあえず必要です。

あー、これでまた、10年以上使っている財布を買い換えたり、鞄の新調も、また何時のことになるのやら。

犬たちに囲まれて

朝、娘たちを学校へと送って行った後で、1歳を少し過ぎたラフコリーのラッシーちゃんを避妊手術へと連れて行きました。

この子は、とてもお利口さんで、上の娘にとても、とても忠実です。

何時も物静かで、リードを引っ張ることも全くありません。

上の娘に何時も寄り添っています。

あんまり手が懸からないモノですから、いつも後回しです。

真ん中のオテンバ娘のモモちゃんに、両手を合わせてせがまれて家族となったセントバーナードの平蔵は、

まだ半年くらいの癖して、身体も態度もジャンボサイズです。

大きな大きな手で、かまってくれい!とお手出しを!

瞳が合えば、大きなお腹を出して寝そべってきます。

で、大きな大きなオマタの間には、これもジャンボサイズのオチンチン!

こんなので、かけ張りでもされたら、家中はオシッコだらけで、

ついでに、これから年頃のレディへと成長する娘たちの目の毒!

イカン!イカン!汚らわしい!と、

家に来て早々に、平蔵は獣医さんへと去勢へと連れて行かれたのです。

予防注射や、お薬を頂く都度に、平蔵は車から降りて来ようとはしません。

が、今朝は自分には関係ないことが聞き耳で判っているのでしょう。

ラッシーを先導して獣医さんへと入って行くではありませんか!

恐怖でおののく、診察台の上のラッシーちゃんを、ジーと見つめる平蔵でした。

マリリンも随分と大人になりました。

ゴールデン.リトリバーという犬は本当に愛らしく賢い犬だと思います。

で、セントバーナードは?

賢いんだとは想いマスよ!

ただ、名前の由来である鬼の平蔵とは、まったくかけ離れた

水戸黄門に登場する【うっかり八平衛】に近いかもしれません。

診察に追われて、気がたつ私ですが、犬たちに囲まれて癒されています。

娘たちも、それぞれに担当の犬が居り、確りしてきたと、

これも犬たちに感謝しています。

骨の造成手術

28年ほど経ったようです。私がインプラント治療に携わって。

インプラント体のサイズは、売れ筋は直径が3.85ミリ程度、長さが10ミリ程度のモノのようです。

私は日常的に、直径が4.5ミリ程度、長さが13ミリ程度のモノを使っています。

インプラント体の価格は、同じメーカーであれば、どのサイズも同じです。

今後、将来に渡って、大きな噛む力に耐えるインプラント体です。

家の柱と同じで、太く、長くが、確りするは当たり前です。

この太く、長いインプラント体を取り囲む骨が、インプラント治療の成績を左右します。

これも家造りで云う処の地盤の強さと同じです。

インプラント体を支える骨を、より確りと厚く、大きくする手術が、骨の造成手術です。

私の診療所では、この骨の造成手術は日常的に行われています。

聞き耳には、恐くて、大変な手術とお感じになられるかもしれません。

が、相手が活きた骨です。

非常にデリケートな配慮でもって、手術は行われています。

する私とは異なり、患者さんの側は、案外と楽な様です。

今週は、上顎洞底挙上手術、これは骨の高さを増すための手術です。

そして、スプリット.クレスト手術を予定しています。

これは、骨の幅が薄い症例に対して行われる骨の造成手術のなかの一つで、

切り立った山の頂上のような骨を、中心部で割き開いて、骨の幅を厚くする手法です。

幅を厚くする際には、イッキに切り割くのではなく、

車をジャッキアップするように、ユックリとジワジワと時間をかけて大きく開いていきます。

あー恐い!

と、お感じになられるかもしれませんが、

患者さんは、ご自身の口の中で行われている状況は、一切、お感じになられません。

頼りない骨をそのままに、細く、短いインプラント体を入れる方が、

よっぽど、恐いインプラント治療だと思います。

建築物でも、耐震構造をトヤカク気にする昨今です。

確りとしたインプラント治療には、とても大切な手法です。

治療のご費用に関して その1.

インプラント治療を希望されてお越しになられる患者さんは、

インターネット情報などで、よく勉強されておられます。

ですから、治療のご費用についても、世間相場というモノもよく認識されておられ、

余りにも低価格なモノはアヤシイと感じつつも、

それでも少しは安い方が良いという気持ちが働きつつ、

いったい幾らかかるんだろう?という気持ちが、

本来の治療の成功に関する事よりも先にたって仕舞うんでしょう。

そういうことって、私らには、よーく伝わってきます。

キチンと丁寧に治して差し上げよう!と、

治療する側の私らは、学問的なことばかりに気が行ってますので、

そう言う時は、このくらいの予算でと、予めお話し頂いた方が

お互いが気が楽にというモノです。

昔、大きな病院で手術をエライ先生から受ける際には、

治療費用とは別にお礼をお包みして、で、その相場が‥。

なんて、話を大人たちがしていましたが、

手術をする側の医者が、謝礼の多さ加減で、治療のさじ加減を加えるなどと云ったことはありません。

患者さんの治療に向かい合う医者という生き物は、

山々を前にした山男と同じで、

どうやって、この病に打ち勝つか!しか考えていません。

通り相場というモノがありますので、

変な処に気を遣うくらいならば、一緒に協力して歯磨きに精を出して頂くことに

頑張って頂きたいと思います。

治療のご費用に関しては、遠慮なく聞いて下さい。