日別アーカイブ: 2015年10月4日

秋最中

生きていくために身体が栄養価を必用とするように、

脳髄も栄養素を補給せねば、人は人でなくなるでしょう。

高校時代に出会って確実に影響を受けて、其れから今でも時たま?否、しばしば頁を捲る本が数冊あります。

これ等の古い本は、既にボロボロになっていますが、

その時々で、私の鞄のなかの数冊に混じって、

私に暇つぶしの友となり、在るときは精神安定剤の役目を果たしています。

ジャンルも作家もチグハグであることが今の歳となれば可笑しく想い、

今となれば動機も包括的に理解しています。

青春時代そのものだったと。

永井荷風の墨東倚談、ふらんす物語、あめりか物語。

氏の文章の美しさは、まるで上質のワインを口腔内の粘膜全部と舌の上で味わう深さのようで、

今でも氏の技量を凌駕する作家を私は知りません。

氏の観察力と感受性の繊細さに、頭皮が突っ張った感触を覚えたことを鮮明に覚えています。

白州二郎のプリンシプルのない日本。

これは今でも、色褪せてない、紳士道のバイブルでありましょう。

遠藤周作の彼の生き方。

猿の生態研究に生涯を没頭させた一人の男の生き方を小説に。

この1冊が、何故か、商家に生まれ育った跡継ぎ息子たる私が、

歯科の門を叩く背中を押す最後の力になりました。

読書の秋です。

脳に浸み渡るほどの、栄養を注いで下さい。

秋いろ

昨夜は珍しく夜更かししたので、

朝は9時から始まる鬼平犯科帳に間に合う頃合いまで、

朝寝坊しようと決め込んで床に就いたのですが。

そうはドッコイ!習慣正しい犬の習性を忘れていました。

何時もように決まった時刻に、

世間では真夜中と呼ぶ頃合いに、

皆で私のベッドへお越しに来てくれました。

で、何時ものように暗いなかをリードを手に、

平蔵、マリリン、ラッシーのお伴をさせて頂く破目となり。

二度寝も出来ず、何時ものように論文を読んだり、読書したりの、

平時であれば起き出す娘たちは休日故に朝寝坊。

鬼平犯科帳までに、小一時間ほど間があったので、

再び、犬たちと外の空気を吸いに出掛けたのです。

薄紅と薄紫の秋桜が、秋風に揺れています。

秋のなかに身を置いています。

銀座、並木通りの空也に明日にでも、

お菓子の予約でもしようか等と想いながら、家路へと。

池波正太郎アワーにて大いなる満足感に浸った私は、

午後からは娘たちを伴って、八坂神社のお祭りへと。

来週からは出張地獄が待っています。

診療所と出張に追われるだろうから、娘たちに淋しい想いをさせると思います。

今日はシッカリと娘孝行をと、思って過ごしました。