月別アーカイブ: 2015年12月

ヒィエーイ!

インプラント修復の応援にて、

某歯科技工所から歯科技工士さんがお越しになっていました。

大きな修復物であるので、

私が口の中から調整した人工歯を取り出す度に、

技工士さんが次々と研磨して綺麗に仕上げてくれました。

で、もう一山越えて安堵し、

ー  〇〇さんってお幾つでらっしゃる?  ー

と問いかける私。

ー  もう50になります。 ー

ー  ほー、では私と変わらんね。ー

!!!!!

ー  先生は60を越えてらっしゃるのでは? ー

!!!!!!!!

つい我を忘れて、患者さんに問いかける私。

ー   そんな風に見えますかね?  ー

ー   はい  ー

!!!!!!!

ー  宮田君、そうかね? ー

ー  見慣れていて判りません。ー

ヒィエーイ!

これでも私は、若い時分には随分とモテたと自負していました。

女学生はもとより、OL嬢から花柳界のおねぇさん方から

チヤホヤされたもんです。

木端微塵になったのは云うまでもありません。

大学の藤井先生や、同級の浅見先生など、

近い年齢の古い馴染みを眺めては、

まだまだ俺が若いな!

アイツら老けてるな!

と、秘かに同情していた

身の程知らずの私でした。

酒より団子

遠方からの方の殆どが紹介患者さんですので、

皆さんが、私の贔屓筋を聞いているのでしょう。

京都からの患者さんは、必ずニコッとしながら

DSC_0113これをお持ち下さいます。

観音様にお供えして、

で、ありがたく頂戴しています。

若い時分の頃を思いだしながら、

でも変わらぬ味に

何時までも変わらない大切な何かを実感しています。

歯科医としての限界

京都からお越しの患者さんの治療の合間です。

ー  歯科医学の100年は、欠けたところを修復する。

抜けた部分を如何に確りと補修するにつきると言って良いでしょう。

私も長い間、一人の患者さんを継続的に診察させて頂いて、

ただ呆然と立ち尽くす情けない想いを味わう時があります。

医学においても、同じかもしれません。

検査での異常値に、薬で対処する。

何か出来ていれば、メスで取り除く。

歯科や医科の西洋医学は、対処療法でしかありません。

私の前に立ちはだかる大きな壁を実感しています。

老齢化に伴う唾液の分泌量の低下で、高齢者になるほど虫歯が増えること。

それと、無意識下の食い縛りによる、

歯の支持組織に対する加重負担のコントロールです。

健やかな老齢期を過ごせて頂けるような治療方法を見つけてみましょう。ー

私は患者さんに対しては、感じるままに、正直に心の内を話をしています。

遠くよりワザワザお出で下さる患者さんには、

後進がその地方その地方にて育てば、

後を引き受けて頂きたいと、

私は自分の経験、知見を公表することに惜しむ気持ちはありません。

この患者さんは、今、歯科衛生士による手当ての最中です。

1時間程はかかると思います。

その後は、噛み合わせの調整をしながら、

現状を大きく変化させないようにと云う配慮の基で、

ダイレクトボンディング修復にて機能回復を行い、

恐らくこの患者さんは、

睡眠の質を考える必要があるのだと思いますので、

その辺りのアドバイスをしたいと、

アレコレ思案しながら、

このブログを認めています。

身体は大人で、心は子供

社会人となった娘が丁度、中学にあがった頃、

反抗期に差し掛かったのでしょう。

ー パパは好きな仕事に就いてエエな!

でも、自分が上手になりたいだけヤロ。

社会貢献できてないわな! ー

コレがせがれの台詞なら、ヒッパタク処ですが。

ただ黙って苦虫を噛んで聞いていた私です。

それからも、この台詞がズット頭の片隅に残っていました。

時間の経過と共に、何事も消化できるのでしょう。

ゆっくりとゆっくりと、

治療技術の向上だけでない、

何かを探しながら、

患者さんの診察に臨んでいたように思います。

研究を再開した訳も、

私自身が診察できる患者さんを遥かに越えた大勢の方と

新たな治療方法を通じて、

決してお会いすることはなくとも、

繋がることができると思ったからです。

青臭い!と、

思われるかもしれません。

が、男は何時まで経っても少年の心を持ち続けるのでは?

ー パパは身体は大人で、心は子供 ー

これも、この娘が吐き捨てるように吐いた台詞です。

その通りかもしれません。

年も差し迫って

年も押し迫ってくると、

年配の患者さんが大勢にお越しになられます。

正月を綺麗なお口で迎えたいとクリーニングがてら、

で、年末のご挨拶でと云った処のようです。

このような患者さんたちに支えられて今日に至っています。

お陰さまでと、ご挨拶がてらの台詞も1日に何度も繰り返す今日この頃です。

手術の合間に、この様な情況の私の診療所の近況です。

ありがたいことに、皆さんご健康でいらっしゃっるご様子に

私も本当に嬉しく感じながら、

朗らかなお話を拝聴し、

いつお口を拝見しようかと云う位に

其れは其れは、話しの止まらぬのにも

慣れっこになりました。

今日は本当に寒くなりました。

新潟も今日、初雪を迎えるとの予報。

風邪などひかぬよう、

足元に呉々も気をつけますように。

貧乏暇なし

普段と変わらぬ気持ちで過ごしていました。

が、気がつけば、もう今年も余す処2週間となりました。

この年末年始の休み程、私ら開業医にとって迷惑なものはありません。

技工も仕入れも一斉にストップするからです。

また、治療において私は患者さんの身体の治るスピードに合わせて

次の予約をいれていますので、

このような長期の休みはイライラの基になるのです。

ときたま、いついつ迄に治療を終わらせて貰えませんか?

と云うリクエストでお越しになられる患者さんがいらっしゃいます。

その様な時に私は、

家の新築の際に、地盤が固まっていないうちに建築に取りかかると

後から床が傾いたなどと云う良くある話を例えて、

かけがえのない大切な歯ですから、

その当りを良くご理解下さいとご説明申し上げているのです。

根菅治療の際に使用する薬剤などは、

種類によって貼薬期間が決められており、

それよりも長期に使用すると、

薬も限度を越えれば毒になりますから、

却って歯を傷める事になりかねません。

このように日常の手当てにおいても、

お盆休みやゴールデンウィーク、そして年末年始の

休み程に迷惑なものはありません。

加えて趣味と云う趣味のない私ですから、

歯を触っていないときほど、

何をして良いのかも判らず、

アァ!自分の身の置き所のない事に嫌気がさす始末です。

貧乏暇なしと云う言葉は、私のような人間のためにあるのかもしれません。

私のブログ

歯科の営業の方々から頻繁に耳にする台詞。

ー 先生方の多くが、先生のブログをご覧になっているんですよ! ー

ほー!そうなんですか?

と、何時ものように飄々と返す私です。

私のブログは、

本来はうちの学生諸君への日々のメッセージとして始めたものです。

今では、若い先生方が大勢にご覧になって下さっているのは知っていました。

私は人格者ではありません。

大工に例えるならば、古典建築と工法を守る大工で居たいと、

常々、心に留めて器具を手にしてきました。

ですから、標準軸での綴りはしていません。

歯科の道に入って、折れそうだ!もう駄目だ!という、

歯科に真摯に向き合う人が

私でさえも、これ程に苦しんでいるのだから!と、

心の逃げ道になってくれて、

で、再び患者さんのための精進をと、

思い直して下さるキッカケとして、

何処から本当で、何処からが創作なのか

不思議な想いで眺めて下さるように心かけているんです。

想わぬ処から、

私のブログから、私の診療を受けにお越しになられる患者さんも

最近では大勢になりました。

ですから、初対面のような気持ちにはなりません。

私は私です。

他の歯科医院との競合などは、私は無関心です。

私がこの人から学びたいと欲す歯科医は、大勢いらっしゃいます。

私は、まだまだ吸収したいと欲しています。

と、同じように、

私に挑んで来いよ!と、

受けて立つ気概も失ってはいません。

幼い頃に剣術を学んでいた私は、

身体の小ささで悔しい想いを味わった思い出を忘れてはいません。

歯科道とは、剣術に通じると思っています。

私にとっての歯科とは、そういうモンです。

で、私のブログはその道に浸かった方へのメッセージでもあります。

新ジャンルへの挑戦                                  

歯列びの改善は、予防歯科的な観点からはもちろんのこと、

修復治療の予後を一層良いものにするためには、

大変に意義のある治療です。

私は、この分野の治療が必要と思われた際には、

兵庫県川西市にて開業の畑豊先生に矯正治療を依頼しています。

畑先生が現役の間は、安堵しています。

但し、成人の顎関節の正常な症例については、

来年からは症例を選んで、自ら治療を始める積もりです。

私の矯正治療は、CT画像からの画像処理にての情報処理にて進めるものです。

歯列びを綺麗に治そうと思う意識が強すぎて、

歯槽骨と歯の根の調和がとれない症例を

初診の患者さんを通じて大勢経験しました。

また、歯列びは一見綺麗に見えるのですが、

顎の関節の位置異常がある症例も大勢経験しました。

この顎関節の問題ある患者さんは、私には手に負えず、

畑先生でなければ無理だと思います。

インプラント治療におけるCT画像は、あくまでも参考程度に、

CTの画像処理の本領を発揮するのは、矯正治療だと考えています。

歯科保存学的な見地からと、噛み合わせ治療という

2つの私の強味からの歯列矯正治療を実践したいと準備中です。

旧友

大学時代の旧友と凡そ10年降りに、長く電話で話し込みました。

恐らく会ってみれば、互いの歳を老いた姿に驚くのでしょう。

が、電話とは実にありがたいものです。

20歳の年頃と全く変わらないママの私らが居ます。

ですから、他人には決して見せぬ自分を曝すことができるのでしょう。

同じ釜の飯を食った旧友は、この寒さのなか、暖まる一時でありました。

勘違い

家に帰ると、天井近くの高い処まで壁紙が剥がれているのを

アチコチ見かけるようになりました。

情けない悲惨な情況に、

昔、飼っていたラブラドールリトリバーのラブリーが

当時の住まいの壁に大きな孔を開けて、

其処から喜んで大きな舌を出していたのを思いだしたりで。

上の娘も私も、この主は、

とても平蔵とは思えず、

何故なら平蔵が、

そこまで高くまで飛び上がる事など出来ないと思い込んでいたのです。

で、この悪さをするラッシーが嫌がるのを無理矢理に

マリリンと一緒に診療所へと出勤させるようになりました。

私が診療中は、2匹は大人しく私の椅子を囲んで眠っています。

これで我が家の被害も無くなったと安堵していたら、

私ら親子は大いなる勘違いに気づいたのです。

巨大な肉の塊のような平蔵が、

全身を伸びきらせて壁にもたれ掛かり、

日射しに反射した壁のスポット状の小さな輝き向かって

ジャーンプ!

で、ベキベキと音をたてて無惨にも剥げ落ちていく哀れな我が家。

娘と二人、呆然と立ち尽くし、

ラッシー、ごめんなさいと云うしかなかったのです。

平蔵ですか?

何事もなかったの如く、

悠然と床に臥せて、私らを見上げていたのです。