これから手術をお受けになられる患者さんは、
さぞかしご不安であろうと思います。
私がその立場で在れば、
もっと不安心がつのるだろうと思っていますので。
但し、
執刀する立場である私の方も、
手術が終わって糸で縫い終わり、
そうですね!2週間ほど経過するまでは、
不安です。
手術の過程において、
何か見落としが無かったか?
イタラナイ処が無かったか?
などなど。
ですから、手術前なんぞは、
今でも心を静めて、
【鬼手仏心】と云う言葉を
心の中で唱え続けて、
メスを手にするのです。
自信満々!で、
手術に臨んだ時は
この年になるまでに1度たりともありません。
される方の患者さんが、
この様な私の本音を聞くと
不安が募るかもしれません。
が、
人の身体にメスを入れると云う【重さ】を
十分に認識していれば、
とてもジャナイですが、
自信満々と云う訳にはまいりません。
研ぎ澄まされた【感性】でもって
静かな心で、
手術にあたっています。