日別アーカイブ: 2016年5月31日

祖父との対面

息子が高松から出る際に、

母方の祖父の形見の品を

御守り代わりに手渡したことがありました。

旧帝国陸軍士官であった祖父の愛用した双眼鏡です。

この祖父の顔を私は知りませんでした。

が、

幼い頃から習慣となった墓参りを繰り返す内に、

この祖父の墓石に愛着を感じていました。

それは、この祖父を【変わり者】と、

その人を知る人たち皆が一様に口にすることと、

親戚などが私を叱る際には、

この祖父の血をひいているからだと、

一様に言われたからかもしれません。

祖父はアイデアマンであった様で、

取得した特許の数も多く、

現在でも、中京地方に祖父の銅像が観られることからも、

普通の人からすれば【変人】だったのでしょう。

先日、新潟へ参りました際に、

深夜帰宅した私を息子が興奮気味で待っておりました。

なんでも退屈しのぎ手持ちぶさたに、

その双眼鏡を思いだし、

ケースの中を覗いてみたら、

隙間ポケットから短冊のような紙の端しっこが見えて、

なんじゃろう?と、

引っ張って、

綺麗に折り畳まれた紙を開いたら

男の人の肖像写真が!

オバケかと!

仰け反った息子なんだそうです。

で、

帰宅したばかりの私と息子は

綺麗に基のケースに仕舞い込まれた紙切れを

恐る恐る取り出して、

あァ!コレは我々のジイサンだと、

二人顔を見合わせて頷いたのでした。

私は毎朝、この祖父の名を心で唱えてお経をあげて過ごして来ました。

墓参りの際には、

墓石を拭いて、

酒、煙草に火をつけてお供えして大きくなりました。

私がそもそも縁のない高松市で開業を思い立ったのは、

この祖父の墓守りをするためでした。

私のような独特のスタイルの歯科医院は、

田舎街でやっていくには、

それはそれで人には言えない程の苦労が在りました。

そんな時に、

この祖父の血をひいているから私には出きるんだ!と。

また、

この祖父や先祖が護ってくれているからと。

私の困ることはしないだろうと。

その祖父の顔は、

血を感じさせられるモノでした。

 

 

 

 

患者さんが増える訳

日曜日の深夜、

私の姿は、

渋谷の細い路地に面した洒落たバーに在りました。

吉祥寺開業の小出 明医師に連れられて、

新宿開業の綺麗な女医さんと共にグラスを傾けていたのです。

普段であれば、この時刻には夢の中である私ですが、

たまには、こういう時も大切なのだと。

小出医師が女医さんに

私と患者さんとの【間合い】について話しているのを

判ってきたな!と、

小出医師の成長振りを温かな気持ちで眺めていたのです。

先刻、

小出医師の診療所にて、

私は少々、厳しい言葉を浴びせていました。

麻酔の方法の初歩の初歩の処からと云う塩梅。

患者さんが歯科医の【本当の技量】が判断できる筈もなく。

だってそうでしょう?

判断できたならば、

どうして〇〇歯科医院に患者さんが行くの?と、

私なら不思議で堪らない現象が在りますもの。

麻酔の仕方なり、

患者さんへの触れ方は、

瞬時に素人でも気づくモンです。

小出医師もこの女医さんも、

私とは同門ではありませんが、

私学育ちの匂いがします。

歯科医は私学出でなければならんと云う

勝手な基準を私は持っています。

利休の一輪挿しの美と、

テレビに出てくる男女みたいな人が活ける派手な生花の美との違い。

この辺の匂いの差が理解出きるのは私学出でなければ無理でしょう。

何れにしても、

若い先生達の会話を新鮮な想いで聞いていました。

私は、どうして患者さんが増えているのか判りませんが、

その訳をこうして若い先生達は気づいてくれてルんでしょうね。