日別アーカイブ: 2016年8月23日

歯を残す、抜かない

セラミック治療を受けた前歯が外れたという患者さんです。

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セラミック治療は診るかぎり【ヘタクソ】ですが、

レントゲン像での根菅治療は【上手】なので、

?????

「 根菅治療はアメリカの専門医で治して頂きました」

納得!

セラミック治療は香川県で治した模様。

納得!

歯の根の上部が折れてます。

みんななら抜いてインプラント勧めるんでしょうね?

私ですか?

ヘソ曲がりですからね!

だって、

この歯は「抜かないでくれぃ!」

って、叫んでますよ。

根菅治療がシッカリとできてますから、

基礎は大丈夫ですから。

で、

こういう手当てを選択しました。

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ゴムで引っ張り出す。

折れた部分が露出したら、

その部分は取り除いて、

ファイバーポストで補強して修復します。

恐らくインプラントをすることなく、

この歯は長持ちするでしょう!

癒し

次に新潟へ参ります時には、

平蔵、マリリン、ラッシーを

伴って行こうと思っています。

平蔵、ラッシーにとっては初めての新潟です。

信濃川沿いの堤を

犬たちは、何を感じるのでしょう?

息子は平蔵とラッシーを知りません。

恐らく、

唖然とすることでしょう。

私の生活は、犬との暮らしで一転しました。

二泊以上の出張は、

新潟での大学での仕事以外、受けません。

一泊も、余程の理由がなければ。

ですから、日帰り圏での出張が大半です。

上京も便利になりました。

日帰りできますもの。

新潟は私にとっての第2の故郷です。

大学での時間は、

とても充実していますし、

若い世代への、

私からの恩返しだと思って、

皆さんと接っしています。

が、

私も年です。

大型犬3匹連れての、

北陸道の車での往復には

多少、躊躇いがあります。

ただ、帰宅してからの犬たちの喜びように、

私を慕って、信じているのが伝わります。

早朝の起床が続けられるのも、

決まった時刻になれば、

犬たちが一斉に顔を舐めに来るからです。

散歩も犬たちの喜びようを観れば、

しない訳にはいきません。

読書、歯の彫刻、文献検索などの間も、

犬たちは私の足元を囲むように寝そべっています。

犬たちと相撲を取るのも日課となりました。

そんな平和な暮らしができるのも、

犬たちの癒しがあるからでしょう。

趣味という趣味のない私の癒しが、

犬たちとの【ふれあい】だと思います。

白衣とスーツを纏えば、

私は仕事一色の緊張モードとなります。

その緊張を解く唯一が、

平蔵、マリリン、ラッシーの

眼差しであることは間違いありません。

何処の歯科医院も

インプラント治療大推薦の様相です。

本当に責任持てるんでしょうか?

歯科医師には自身の胸に手を当てて、

よーく考えて頂きたいと思います。

先日、ある男性歯科医師と話をする機会がありました。

訪問診療を専門に臨床している先生です。

患者さんを見送る度に、

思う処あり、

彼は洗礼を受けたそうです。

「かまいませんか?」

と、恥ずかし気に問う彼。

私も信仰を持っています。

私の場合は、先祖代々の仏教ですが。

私は先祖の霊を信じています。

いつも私の側で見守ってくれているとの安堵感に包まれています。

宗派は違いますが、

お遍路の巡礼を何度もしました。

道端のお地蔵様を観れば、

思わず掌を合わせる私がいます。

お天道様、お月様を仰げば、

ついつい柏手を叩きます。

大海原、大河、山脈を眼前に、

深呼吸し、

自然の神々からの恵みを

身体いっぱいに受け止めようとする私です。

どんな宗教であれ、

心の拠り所を持つのに、

どうして躊躇い、恥じらいがいるんでしょう?

医局時代の上司である山口隆司先生は

良い意味での【格好つけ】で、

素直にご自身の良さを人前には晒しません。

無機的な理性の人を演じています。

来週、浪人中の愚息とともに先生は福岡へと行くことになりました。

私の師匠である東京麻布で開業の内藤政裕先生の講演があるためです。

内藤政裕先生のご厚意にて、

山口先生と愚息が拝聴できる機会を頂きました。

愚息には先生の講演内容は極めて難解で、

20年早いと思われますが、

【本物】に触れる機会を、

先生はご自身の年齢を考慮し、

私の息子だから、

伝える何かを探せ!とのメッセージだと、

親として、

弟子として、

心から感謝しています。

山口先生に対しても、

私には内藤先生の弟子だからこそ、

内藤先生が山口先生に気づいて欲しいと願っている

メッセージ、仕掛けを感じています。

大きなヤンチャ坊主と、

背伸びの最中のヤンチャ坊主二人の道中は

如何なるモノかと案じています。

が、

「 三枝、1日は大宰府天満宮へ行って来るわね」

と、山口先生の台詞に、

私は胸が熱くなったのです。

クールで見せて、

「 俺は無宗教」

と、常に理論派を演じる先生だったからです。

人は見かけや、

その人の口にする台詞をそのまま鵜呑みにしてはならないという

実例を味わったのです。

私は知っていました。

山口先生は、

筋目を通し、

情に深い人であることを。

私ら歯科医は、

人の身体に医療行為を行うことを仕事とするものです。

心が汚れていて、

どうして診療ができましょう?

 

治療と人生

新しい患者さんが増えて、

開業医の私としては、

ありがたいと感謝しています。

患者さんが多いからと言って、

全ての患者さんの治療を引き受けることは

逆に患者さんに対して【不義理】になると感じています。

私は治療のクオリティを高く設定したいと

治療に使う器具の衛生度も超高水準に維持しなければなりません。

これは器具をフル稼働しても、

とても無理なことです。

1日に多くの患者さん の数を診察出来ません。

そういう訳で、

私は患者さんの【治したい度】を判断して、

治療の順序を変えています。

それが本来の平等だと思っています。

【本当に歯で困っている】患者さんは、

治療への取り組み方が違います。

私のホームページを単に見つけて、

【綺麗そうじゃん】

【上手そうじゃん】

って、お越しになられる患者さんからは

歯の本当の大切さを感じられません。

まして、

歯医者の技術を重要視していない方も

時には居られます。

インターネットの情報の溢れの弊害だと思います。

人間関係においても、

どんなに努力しても

伝わらない人が、

時には居られることも経験済みの方は多いでしょう。

それは治らないし治せないと感じるようになりました。

離れて、

時の流れが記憶から消してくれるのを

堪えて待つしかありません。

堪えて待つという姿勢は

治療においても大切です。

治療におけるタイミング、

人間関係におけるタイミング。

これは【待つしか】と、

【新しい出会い】との

競争になるんでしょうが、

これは自ら仕掛ける問題ではなく、

ただ身を河の流れに委せるしかないのだと。

治療も人生も同じようなもんですよ。