日別アーカイブ: 2016年11月24日

私のセラミック修復

まさに今、

セラミック修復の歯型を採る瞬前です。

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赤い部分は、

赤色のグラスアイオノマーセメントを使って、

セラミック修復クラウンを受け入れるための支台歯の形を

整えた裏層、埋め立てというモノです。

この素材に私は、コンポジットレジンは使いません。

長い臨床経過から、

コンポジットレジンは、

このような使用には役にたちません。

この歯は本来、第1小臼歯として生まれました。

この患者さんは、大切な犬歯が無かったのです。

初診から数えて2年ほど、

私は、この第1小臼歯を狙っていました。

少しずつ、少しずつ、

工夫した手当てを施し、

歯の中の神経を縮小させて、

犬歯の形体へと変化させてゆきました。

コレが、

その過程において使った仮歯です。

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反対側の歯と強く接触する部分は

シッカリと磨耗傷がついています。

その傷に気づかず歯科技工士がセラミッククラウンを造ると、

セラミック人工歯は、

間違いなく【欠ける】でしょう。

長い間、実際に使って貰って、

歯に反映さらた形体を、

私は正確にコピーして、

最終セラミッククラウンの形を決定させています。

歯の型を採る際には、

治療の殆んどが終わっているのが、

私の治療の特徴です。

 

ナイチンゲールの心

東京では初雪だそうです。

当地でも、冷たい木枯しの季節となりました。

私は終日、暖房の効いた診療所から出ることはありませんので、

お越しになられた患者さんの頬の赤みに

「 さぁさぁ速く!暖かい処で」

と、

手を引かんばかりに待合室へと案内し、

並んで腰かけて雑談に興じるのです。

私の診療所へ見学にお越しになられた歯科医の先生方は、

私の処での、

私と患者さんとの【距離】の小さい事に、

一様に驚かれるようです。

私は全く自覚してはいません。

私の診療所内での、

全ての事象は私に裁量権があります。

仮に患者さんが転ばれてお怪我なさったならば、

それは間違いなく私の不注意であり、

患者さんのお顔の色が優れなければ、

体調、心情どちらが原因であっても、

私は心を患者さんの中に入り込む動作に移るでしょう。

それが、

プロの臨床医だと信じていますので。

歯の治療を通じて生じた【縁】ですが、

歯でのお付き合いだけでは、

それは単なるビジネスでしかありません。

人と人との営みを、

私ら臨床医は重く感じて、

患者さんと接することが大切です。

其所は【役者】にならねばなりません。

ただ忘れてはならない大切な心、

【ナイチンゲールの心】です。