日別アーカイブ: 2017年2月13日

私の全て

先般、知人から、

私がブログでの

若い時分にモテたと云う表現が不適切と云う

ご指摘が在りました。

人の感想はそれぞれですから、

貴重なる御意見ありがとうございますと、

お返しさせて頂きました。

そんなこんなを大学時代からの親友に話しをしたら、

本当の話しだから、それで良いじゃあないか、

と。

私ら医療人はモテる位でなきゃ駄目だと、

私は、そう思っています。

で、

何事も相性ってモンが在りますから、

患者さんの方が私を嫌いだったら、

わざわざ遠いこの田舎街までお越しになりません。

知識、技術、人間味、

コレを研くのが医師の務めです。

私も、初老ですよ。

馬鹿な行為など興味ありませんし、

悪さは十分に若い時分に済ませましたので。

ブログって、本当に興味深いですね。

嫌なら見るなよ!

私も嫌いな輩のホームページなど観ませんので。

歯の仕事が私の全てですから。

 

古い奴だとお思いでしょうが

「もう何年になりますでしょうか?」

「そうですね、初診から19年経ちましたようですね。」

そんな会話を今日、最後の患者さんと交わしたのです。

その患者さんの歯は1本もありません。

全てインプラントで修復しました。

「私の知り合いは、直ぐにインプラントが抜け落ちたそうです。」

「聞いてれば、私が先生からされた治療の流れとはゼンゼン違うんですよ。」

「そんなんで良いんでしょうか?」

鶴田浩二の唄の台詞じゃあないですが、

古い歯医者の方が、

私は上手いと今は安心しています。

若い人には負けませんよ。

 

恐ろしい現実

私の診療所の様には、

とても出来ない!

と、同業の人から言われるのには、

馴れっ子になったと共に、

半ば同業の人を怠惰だと、

私は、

そう思っています。

私は患者さんの治療に際して、

全身状態を含めた全ての情報を得る事に知恵を搾ります。

その一環としての採血は必須な検査です。

麻酔注射の薬剤から注入位置、注入速度、

内服薬への対応は勿論の事、

抜歯や手術の際の縫う糸の間隔まで、

血の検査から判断できるからです。

また、

歯科医院では、

唾液、歯の削片の浮遊飛沫、

血液に曝されています。

感染防止に徹底しなければなりません。

ですから、

採血の際の検査項目においては、

感染症の有無の検査は必須です。

私の診療所のような小規模の診療所においても、

思わぬドラマが生じます。

検査の結果にて、

【HIV】陽性!

と云う機会も経験します。

【C型肝炎】などより感染力の弱いHIVですが、

告知された患者さんの精神的ショックは計りしれない程に大きい事も、

経験上、

私は背負って来ました。

私は私の診療所での、

相互感染は絶対に生じさせない自信があります。

其れほど迄に、

私の診療所の滅菌システムは、

他の診療所では真似の出来ないレベルに至っていると

自負しています。

私は患者さんに対する責任が在ります。

その基本的な、

い・ろ・は・の

【い】が、

感染防止対策であると確信しています。

皆さんも、

もう1度、

ご自身の身になって考えて下さい。

歯医者さんへ診察を受けに行った際に、

ご自身の座った椅子に

前の患者さんから

病気を移される心配がありませんか?

私は私の診療所だけを信用しています。

根管治療の極意

午前中はズッと、

根管治療していました。

下顎第2大臼歯の根管治療です。

前医の被せたジルコニアクラウンを撤去したら、

残った歯質が少なく、

ラバーダムのクランプが引っ掛かり難く、

序でに、

私がクラウンを被せる際に、

コレではスマートな形に仕上げられないと判断。

で、

歯周外科処置を施して、

臨床歯冠長を延長し、

今日、再度の根管治療に挑んだ訳です。

この歯の根管には、

リーマーと云う器具、

コレは神経を採る針の様なモノなんですが、

ショウガねぇな!

リーマーが折れて残っているのです。

取りましたよ!

1に根気、2に根気、

3、4が無くて5に根気!

コレが根管治療の極意ですから。

こういう際には、

マイクロスクープは不要です。

見えるのと、

取れるのは違いますから。

指の先に、

全神経を集中させて、

アッチが折れたリーマーなら、

コッチもリーマーで引っ掛けて、

丹念に丹念に、

江戸時代の盗賊が、

蔵の鍵をかんざし1つでこじ開ける気持ちでと。

そんな心情ですかね。

術後のレントゲン写真を患者さんと一緒に診るんですが、

今日は清々しい気持ちでした。

次回の予約はファイバーポストを直接作ります。

で、

仮歯の型採りです。

この歯は仮歯を入れたら、

夏位までは経過観察し、

それで以て、

クラウンの形態や材質を決定する予定です。

セラミックでも色んなセラミックが在りますから。

仮歯の摩耗状態を観て、

決定するのが私の普通です。

 

鞄持ち

先般、師匠である東京麻布開業の内藤正裕先生よりお電話を頂き

3月4日奈良県歯科医師会主催による先生の御講演の鞄持ちを

コレまた恩師である元 日本歯科大学保存学講座準教授 山口先生共に

仰せつかりました。

こういう際には、

諸般全ての予定はキャンセルして、

内藤正裕先生を優先するのが、

私らの業界の掟です。

其れほど迄に私は青年期から先生にお世話になりました。

大学院での歯科医師としての【いろは】の手解き無くして

今日の私が無いように、

内藤正裕先生無くして、

今日の私は在り得ません。

日本の歯科医師で先生の名を知らぬ人は皆無でしょう。

其れほど迄に偉大な先生の胸を借りて育った私は幸運の持ち主だと

自負しています。

日々の診察を、

他所の歯科医院では苦戦した症例に没頭出来る【力】の源が

内藤正裕先生からの【教え】の賜物である事を

自覚して過ごしています。

が、

先生の弟子である事は反面、苦しさも伴います。

それも四国と云う田舎街にて内藤イズムの継承を貫く事は

大変だった事も事実です。

もう駄目だ!と、

弱音を吐いた事も何度も在りました。

そんな時に、

先生のスタッフからの応援で、

持ちこたえて今日に至っています。

私も教壇に立つ身ですから、

自分の仕事の評価に曝される責任は自覚しています。

その根拠と自信は、

自分の診断と治療方針に対して、

責任を明確に持っているからです。

彼岸前の奈良の都は、

肌感覚からすれば、冬に違いありません。

が、

冷たさの中に確かな温かさがキッと訪れている事でしょう。

東大寺二月堂前の茶店にて、

コレまた嘗てお世話になった漠山先生の字を眺めながら、

餅を食べつつ、

内藤節を楽しみにと、

そんな今を過ごしています。