日別アーカイブ: 2017年5月30日

母校って良いモノですよ!

今週に予定している大きな手術について、

ズッと頭から離れません。

技術的なことは当たり前ですが、

患者さんの身体や心に負担の少ない手当てをと、

頭の中の引き出しを片っ端から探しものと云う

感じでしょうか?

で、

思い立ち、

母校である日本歯科大学へと電話し、

麻酔科の大橋準教授へと繋いで貰ったのです。

やぁやぁ、先生、この間、大学にお越しでしたでしょう?

部屋に寄って下さればお茶でもお出ししたのに。

そんな明るい会話から始まり、

大橋先生、6月1日の創立記念日は休み?

大きな手術が在るんだけど、

全身管理して助けてくんない?

えぇ、良いですよ!

先生処は良く判ってますから、

先に採血の結果だけメールしておいて下さい。

大橋先生は麻酔科の準教授で、

現学部長で全身管理科教授である藤井一維先生の愛弟子です。

腕は確かですよ。

じゃあ大橋先生、藤井学部長には私から先生借りるって一言伝えておきますよ。

すみません、お願いします。

母校って良いモノです。

鬼手仏心

新患の患者さんの口腔の様相を

初めてソッと伺うに際して、

一体、今までどれ程ご苦労されたことか!と、

自分の事のように胸を傷める機会が増えたような気がいたします。

其れは、

患者さんがご自身の口腔に

決して無関心であったことが原因ではありません。

治療を為したる歯科医師と云う職業人の技量の未熟さが

否定したくても、

否定しきれない現状に至っていると思います。

経験不足なり、

自分の力量を遥かに越える症例に

手を出すことは、

医療人としての恥じだと思うのですが。

ですから、

私らは日頃から、

自分の限界点を否応なしに知り、

それ故に、

ますます自己の技量の向上のために

日々を過ごす努力を惜しんではならんのです。

今週、大きな手術を控えています。

未だに、

どのテクニックを用いるのか、

心定まってはおりません。

私にとっては日常の治療ですが、

患者さんにとっては、

生涯ただ一度だけの勇気を振り絞って手術に臨んで居られる訳です。

ですから、

最後の最後まで、

それこそ、

メスを手に、

粘膜にメスが触れる瞬間まで、

私は悩むでしょう。

が、

メスが軌跡を描いた瞬間から、

【鬼手仏心】の境地に在るのは云うまでもありません。