月別アーカイブ: 2017年7月

私の歯科医学

今朝、治療が終了して

初めてのチェックに

お越しになられた患者さんが居られます。

ビックリしたのです。

ヘアスタイルからお化粧、お洋服、

全てがお綺麗になられていたからです。

初診の際に、

自律神経のバランスを崩され、

非常に内向的、

閉所恐怖症、

私の診療所の待合室は個室なのですが、

ドアを開けていないと震えるくらい。

レントゲンの撮影も大変でした。

日常生活が大変だったのでしょう。

ヘアスタイル、お化粧など、

気を遣う処ではなかったのだと思います。

正直申し上げて、

私は治療は無理だと、

当初は判断しました。

が、

患者さんは頑張りました。

日常を一変させたいからと云う台詞を聞いて、

私も精一杯、患者さんを励ましました。

で、

全ての治療が無事に終わったのです。

根管治療、

歯周外科、

抜歯、

インプラント、

ほぼ全てのジャンルの治療を

彼女は私から受けたことになります。

治療の途中から、

少しずつ、

会話するようになられました。

で、

今日。

本当に歯の治療して良かったと。

この言葉が在るから、

私は頑張れるんです。

本音を申し上げますと、

心傷める機会も度々あるのです。

あぁ、歯医者は医者ではないのだと云う

辛い気持ちになる機会もあるのです。

自分の患者さんからの台詞に

心傷める機会もあるのです。

抜かれた!

削られた!

取られた!

痛みがなくなり、

ともかく噛めるようになったら、

安心されるのでしょうね。

そんな時には、

私は歯科大学の学生時代を思い出すようにしています。

良い歯医者になりたくて、

過ごした若い頃を、

無理やり思い出すようにしています。

夢に見た歯医者じゃないか。

挫けてどうするん!

そんなこんなの繰り返しの四半世紀だったのです。

また、

喜んで下さる患者さんが居られるから、

私は自分のスタイルを貫けました。

多くの歯科大学の学生さんと接する機会が在ります。

後輩たちが、

あぁ、歯医者になって良かった!と、

そんな風に思ってくれるようにと、

私はカルテに自分のテクニックを記載しています。

あとどの程度の時間が残されているのか

神様のみぞ知る事でしょう。

それでも私は続けます。

1人でも、

歯を大切に考えて下さり、

心悩ます方が居られるうちは。

ご心配ありがとうございます!

私の夏風邪をブログから案じた、

日本歯科大学先端研の澤田講師を始め、

多くの先生方からお見舞いのメールを頂きました。

本当にありがとうございます。

憎まれっ子世に蔓延ると申します。

ヤンチャ坊主の三枝は、

大丈夫ですのでご安心ください。

点滴注射を受け、

内服薬の助けにて、

好きな歯の治療に、

それは相変わらずです。

【考える治療】

これが私のライフワークです。

考えて、

考えて、

そこから、

患者さんの身を以て、

教えて頂いて、

学んで、

少しずつ成長したいと思う気持ちに偽りはありません。

今日も手術が在ります。

インプラントの二次手術ですが、

下顎全体の症例ですので、

チョッと一工夫をと考えています。

構想で頭の中がいっぱい。

そんな今です。

気候が不安定ですので、

皆さんも、

くれぐれもご自愛ください。

本当にお見舞いの温かい言葉、ありがとうございます。

歯科医師の先生方への質問状

昨日の新患の女性のレントゲン写真です。

春頃に歯茎の腫れがあったとのこと。

痛みがなかったので、

それから1ヶ月くらい経って、

歯科医院を受診されました。

かつて治療済みであった当該歯のクラウンを外した処、

中が真っ黒で、

その際に抜歯処置を受けたそうです。

そのあと、

ブリッジにするかインプラントするかの選択に迷い、

私の診療所を訪ねて来られました。

表現は患者さんの言葉に忠実に再現して綴りました。

私は若い頃から教官から、

【レントゲンを読み込め!】

【2次元から、どれだけの情報を読み取れるかが勝負】

そんな風な教育を受けました。

レントゲンをシッカリ診て、

で、

実際の状態を自分の眼で確認して、

レントゲン像と現状を

自分の眼に焼き付けることを日々研鑽して来ました。

患者さんの言葉から、

当該歯は、根管治療が為され、

歯根に亀裂が生じて、

歯茎が腫れたことが想像できます。

その際に、

歯根を覆う骨、

特に外側の骨が楔状に溶けていたことが、

レントゲン像から、

私には如実に伺えるのです。

CTの撮影の必要もなく、

当該部分の骨の幅は、

インプラントを受け入れるに十分な量は既にないと

私の眼には明確に見えるのです。

抜歯された両脇の歯も、

既に根管治療が為されています。

しかし、

この根管治療が不完全であることに異論を唱える歯科医師は居ないでしょう。

当該部分にインプラント治療を行うためには

骨の幅の増大手術が必要です。

それだけの手当てを行うことで、

当該部分の修復処置を行う必要性を私は感じません。

むしろ、

両脇の不完全な根管治療された歯を、

シッカリと防腐的治療を行い、

ブリッジにて修復処置することがベターだと考えるのです。

確かに、

死んだ枯れ木の歯を土台としたブリッジに、

確たる担保はありません。

しかし、

感染源を抱えた歯の間に、

インプラントを埋入することの方に

私は違和感を感じるのです。

局所的所見から、

私の考える処を申し上げました。

血液検査の結果は後日、私の確認する処となりますが、

医療倫理的観点から、

私は、そのように診断したのです。

歯科医師の先生方の多くが、

私のブログを観て下さって居られると聞いています。

先生方は、

どのようにお考えになられるでしょう?

インプラント VS ブリッジの選択については、

私の中では明確に定まっていますが、

先生方、この症例について、

どのようにお考えでしょう?

本音

歯科医師に息子の癖に、

はやくも奥歯が欠けたる親不孝者です。

で、

クラウンを歯科技工士さんに製作して頂きました。

私の息子の歯と云うことで責任重大だ!

笑いながら模型を受け取った歯科技工士さん。

私のオーダーはゴールドのクラウン。

これには、

歯科技工士さんも息子も!!!

父ちゃん、金歯はチョッと!

セラミックにして欲しい。

昨今の風潮からしてみれば、

そういう事でしょう。

が、

流石は歯科の専門職。

歯科技工士さんは私の真意に納得。

で、

届いたゴールドのクラウンがこれです。

どれだけ気合いを入れて製作して下さったのかが、

プロの私には伝わって来ました。

セラミック全盛の時代ですが、

奥の大臼歯の修復には、

審美の問題さえ問わなければ、

ゴールドのクラウンに勝る素材はないと、

私は確信しています。

息子はまだ若い。

これから人生の荒波の中で、

もがき、

悩み、

耐えて、

様々な葛藤を抱えて生きて行かねばなりません。

ギュッ!と、

ギシリ!と、

ギリギリ!と、

食い縛る時期を味わうでしょう。

その際に、

セラミックで対応は出来ません。

脆い素材は欠ける、割れることで、

想定外の応力に答えます。

ゴールドならば、

叩かれては伸び、

擦らては、磨り減り、

様々な応力に対して順応してくれます。

男は歯を食い縛って生きて行かねばなりません。

それ故に、

私はゴールドのクラウンを好むのです。

最近流行りのジルコニア。

アレはイケません。

硬すぎて、

割れない、

欠けない、

そういう意味合いにおいては

クレームを受けにくい便利な素材です。

でも、

大きな力に対して、

受け皿である歯の根が付いてイケません。

昔から使わている確かな素材こそ、

私は、そういう評価をしています。

生きている歯であれば、

ダイレクトボンディング修復で対応し、

神経を取った歯、特に大臼歯の修復は、

ゴールドのクラウンが一番だと、

私はそう考えています。

因みに息子のゴールドクラウンの隣の歯は共に

私がダイレクトボンディング修復しています。

この歯は、

ヤンチャ坊主ゆえに、

欠けて折れて、

根管治療は日本歯科大学保存学教授である新海先生が施術して下さいました。

欠けた部分が大きく、

歯周外科を私が行い、

その後、

ゴールドクラウンにて対応したのです。

これが奥歯の修復に関する私の本音です。

と言って、

患者さんの求めにてセラミックで修復する機会が多いのも事実です。

その際には、

素人の方には判らないほど、

神経をつかって読み取りします。

そのくらい、

奥歯のセラミック修復って難しい治療手段です。

 

医療の進歩

当地は雨ひとつない蜩の声ばかり。

が、

越後新潟は大変な大雨に見舞われている様子。

細そ~い三日月のような形をした日本の国の

距離感を否応なしに実感しています。

本来であれば、

週末から昨日までは新潟の予定でした。

しかし直前に、

大雨の予想を受け延期し、

家でゆっくりしようと思ったものの、

生憎の夏風邪でしょうか?

喉が腫れ、

声は掠れ、

身体中がだるく、

食は採れず、

このままでは死んでしまうかも?

一睡も眠れぬ長い夜が早く明けないかと。

で、

朝の一番に知人の内科医へと。

しかし、

医療って凄いですね!

今朝は全く違います。

タダレ乾いた腫れた喉の粘膜も

今は腫れも退いて湿っています。

身体の怠ささ寒気もありません。

無理をしないように、

それでも仕事は出来そうです。

平安時代であれば、

否、

江戸期でも、

昨日の私の症状ならば、

死んでいたでしょう。

日頃、

癌や特殊な病気には気をつけているのですが、

風邪で死ぬこともあるかもしれません。

それにして

医療の進歩を身を以て体験し、

感謝したのです。

美人つくり 3

つい最近、

公開させて頂いた患者さんが、

先ほどからお見えになっています。

前回の治療が今週の冒頭でしたので、

ほんの僅かで、

表情はこのように変わりました。

今日の所見です。

唇の形ができ始めました。

鼻の下の縦シワもありませんね。

で、

前回が、

 

仮の総入れ歯の噛み合わせの調整は、

下顎の位置が移動するようにとの配慮で行っています。

頭骸骨から下顎は筋肉でぶら下がったブランコのようなもの。

左右の筋肉の緊張弛緩状態で、

下顎の位置は変化するのです。

それこそ噛めない入れ歯を入れたり、

下手クソなインプラント治療などで、

歯科医師が強制的に決めた噛む位置が

一番危険なのです。

シッカリ噛めない?

顎の関節がどうも変だな?

そういう症例を多く拝見します。

今日の時点で、

私の頭の中には完全にイメージが出来ました。

患者さんの大切さ身体です。

丁寧に、丁寧に。

外れない総入れ歯

先ほど、

ヤット完成した総入れ歯です。

大きくお口を開けても、

もう大丈夫!

どしどしコーラスに通ってくださいね。

なんでも、

以前はコーラスの最中に入れ歯が宙を浮いたとか。

で、

先生、どうかしら?

他人には私が総入れ歯だなんて言わないでね!

言いませんよ。

医者には守秘義務が在りますから。

でもね、

この患者さんのご性格からして、

明日には、

この患者さんの友人、知人の類いに、

ご自分から言われるのが判ります。

無論、

言われる台詞まで。

これからの私

私の歯科医師人生も、

既に30年も過ぎたようです。

思い返してみれば、

患者さんが最良の師であったように思います。

人の身体と云う神秘さに満ち溢れたものの不思議さに、

多くの事柄を自然と学んだように思います。

治療の経過からは、

診断のあとの治療の選択基準を、

確かな証拠から、

決定できるのも、

これも患者さんのお蔭です。

専門職としての暮らしも、

治療行為と云う責任ある仕事故に、

大いに考える処あり。

これも患者さん在ってこそ気づいたものです。

患者さんが亡くなってから、

初めてご家族から聞かされるエピソードに、

涙する機会が少なからず在ります。

そこまで喜んで頂いていたのかと、

再び、

衿を正す機会を、

患者さんから教えて頂く機会も在ります。

しかし反面、

仕事柄顔と口にこそ出しませんが、

このような人には決して成りたくないと、

秘かに、

その方が他の医院へ転院して欲しいと、

そのような心境に陥る機会も在りました。

患者さんを通じて、

学、術、道を

学ばせて頂いた30年だったと思います。

これからも私は成長し続けたいと思います。

できてば、

穏やかな心で、

包みこむ包容力で、

患者さんと接してゆきたいと思います。

私のカトリックへの改宗の

ひとつのキッカケでも在ります。

 

ノンフラップ抜歯即時埋入.即時負荷インプラント

前歯の抜歯と同時にインプラントを埋入しました。

ノンフラップ手術ですから、

メスを使っての切開はしていません。

ですから、

縫合もしていません。

インプラントには仮の歯を直ぐに連結しています。

骨とインプラントの結合が安定したら、

仮の歯と歯茎の調和がマッチングするように、

仮の歯の形態を調整しようと思っています。

これが術前です。

患者さんの上の右側の前歯のインプラント治療です。

抜歯した処に孔が見えますね?

コレが抜いた歯です。

黒ずんで朽ち果てています。

早晩、ポッキリと折れるでしょう。

インプラントを埋入しました。

で、

仮の歯を入れて、

オシマイです。

治ったあとは、

インプラント修復は周囲の歯と区別がつかないでしょう。

で、

何でこうなるの?

これは私の仕事ではありませんが、

何事もスレば良いと云うモンじゃありませんね。

奥歯のダイレクトボンディング修復

お一人、

奥歯のダイレクトボンディング修復が終わりました。

大きな虫歯の穴でしょう❗

前の歯には

何処かの歯医者さんがセラミックの詰め物を、

一番奥の大臼歯にも、

恐らく同じ歯医者さんでしょう。

セラミッククラウンが見えますね。

その隣の第1大臼歯は私の仕事です。

ダイレクトボンディング修復です。

で、

今日は、その隣と云うことになったのです。

ラバーダム防止環境下で、

歯の形を造る前にも、

料理で云う処の【下ごしらえ】ってものが大切なのですよ。

これをいい加減にすると、

もうイケませんやね!

完成です。

ダイレクトボンディング修復のほうが、

瑞々しく、

活きた感じになりませんか?

私はダイレクトボンディング修復が好きです。