日別アーカイブ: 2017年7月10日

秘かなる自慢話

私の診療所の顧問会計士さん処の女性事務員さんは、

謂わば、

私の診療所の内容の全て把握されている会計の専門家です。

その事務員さんから、

大いに誉められたのです。

それは、

私の技術力です。

ただし、

歯科治療の技術ではありません。

彼女は私が何時、何を買ったのか、

全て把握されてる訳です。

その事務員さんに私は暮らし向きが質素だと言われます。

だって私は、

診療所と自宅以外には、

書店とホームセンターくらいしか行きませんもの。

若い時分に、

し尽くしたと、

大いに反省し、

大いに自覚していますから。

趣味程度と云えば、

自動車のレストアくらいなもので。

その私の秘かなるストレス解消の手当てである

旧いガラクタのような自動車を

マッサラ以上に、

仕上げてゆく技術の方を

随分と誉めて頂いたのです。

超高級車に観えるんでしょうね。

が、

実際は笑っちゃいますよ。

ホームセンターへ出かけては、

女性の目にはガラクタにしか観えない物を買い求め、

スタッフルームの一角には、

自宅に持ち帰っていない床材や壁紙、

鏝や小道具が。

スタッフの宮田君などは慣れっこですよ。

先生が、また洗剤の試し買いか!

なんて程度でしょうね。

旧い部品や、

内装材を綺麗に甦らせるには、

特に洗剤の性能が大切なのです。

これは診療所を綺麗に保つためにも、

随分と役にたちました。

私はジッと出来ない性分です。

技工室でゴソゴソは日常茶飯事。

自宅では、

歯の彫刻するか、

床を磨くか、

自動車の手当てするか。

今度は内装の勉強をと。

歯の治療で誉められるよりも、

なんか背筋を伸ばしたくなりました。

いつか自宅の一階部分を

壁を外して、

ワンルームへと挑戦しようと考えています。

そんなこんな話しをしていたら、

診療所のエアコンにトラブル発生との事。

早速、

取り付け業者さんに来て頂き、

随分とご苦労されておられました。

で結局、

取り付け業者ではニッチもサッチもゆかず、

メーカーの方に応援をと云う報告を受けたのです。

ふ~ん?

と思いながら、

脚立を出して、

危なげに見えるのでしょうね?

でも、

エアコンはシッカリと稼働し始めたのです。

 

 

 

 

大きな空

空を仰ぎ観る機会がありますか?

それが、

朝の澄み渡った青空でも、

満天の星煌めく夜空であっても。

日常の忙しい生活の中にあっても、

是非に、

空を仰ぎ観てください。

考え事しながらでも、

無心であっても、

とにかく、

空を仰ぎ観てください。

で、

心豊かな日々を過ごせますように。

空を通して、

世界中のひと皆が繋がっているのですから。

コツコツと

先のブログでお見せしたような治療は、

小さな、小さな、

観察力、

手先の動き、

身体への配慮、

それらの積み重ねの集合体です。

外科はバサッバサッと、

と云うのは危険極まりない暴挙です。

歯科治療の性質柄、

メスを持たない治療でも、

歯の治療は本来は外科的要素が強いのです。

だって、

手先を絶対に使う治療ですから。

私は歯科医師免許を頂戴してから直ぐに

母校である日本歯科大学の大学院へと進みました。

専攻は【歯科保存学】です。

大学院は学生の扱いを受けません。

医局の【下っ端】

医局の先輩方のお昼の出前の要望聞きから、

白衣のクリーニングの持ち込み、

ゴミ箱の中の運搬、

基礎研究には無くてはならない【牛の歯】を

屠殺所へと通い、

其処で、

ご厚意の返礼として、

それなりのお手伝いをし、

命との引き換えで研究に捧げて下さった牛に感謝しつつ、

歯を医局に持ち帰り、

そこからが、

また大変なのです。

大きな牛の顎の骨から、

傷をつけないように、

細心の配慮で、

人の何十倍もある大きな牛の歯の抜歯です。

くたくたでした。

キレイに洗浄して冷凍庫に保管するまで、

その日は何もできません。

上の医局の先生方の研究の手伝いから、

手順の実際を学びました。

ビーカーひとつ洗浄して乾燥するまで、

気を抜けなかったですよ。

乾いた際にビーカーの表面に白濁の天でも視えたら、

全部、やり直しでしたもの。

医局には大勢の先生方が居られましたから、

なかには、

私のことが気に食わないと思って居られる方も。

それは厳しかったですね。

ただ辛抱は苦にはなりませんでした。

私は夢が在りましたから。

それとオモシロイものですよ。

嫌な奴、

煩い奴、

奴って云うのもハシタナイですが、

イチイチ文句ばかり付けてくる方からは、

治療技術、

知識、

全ての点において、

学ぶ処は皆無でした。

キチンと仕事に向き合って居られる先生は、

他人ごとには無関心でしたし、

医療人の心をお持ちでしたから、

低次元な嫌がらせや苛めなど、

全く頭になかったと思います。

下が育てば医局の戦力になる訳で、

そういう意味で、

親切に指導して下さったように思います。

研究や論文をシッカリとヤられる先生は、

当然、

知識も豊富ですし、

仕事も丁寧でした。

現在、保存学講座の教授である新海航一先生は、

当時は講師をお務めになられて居られましたが、

寡黙に、

医局ではデスクに向かい、

立ったと思えば、

診療室で診療を、

医局に居ないと思えば、

研究室で実験をと云うくらいに、

医局で雑談に興じる先生方が多いなか、

黙々とお仕事されておられました。

やはり教授になられましたよ。

現在は大学院長をお務めになられていらっしゃる。

歯科医師の仕事はエンターテイナーではありません。

細かい、細かい仕事です。

そういうことを、

私は良い見本が居て下さったと、

本当に感謝しています。

コツコツと。

 

インプラント失敗症例の再治療

今日は先週末に行った

【インプラントの除去】の手順のドキュメントを御見せ致しましょう。

大阪市の派手な広告で有名な歯科医院で

簡単な手順で治療を受けられたことを

患者さんは大きく後悔されておられます。

歯科治療は正確さが全てです。

インプラントの埋入位置が数ミリ違っていたら、

このような哀れなる姿に至る証です。

こうなると、

インプラントは除去すべきです。

上の唇の粘膜と柔らかい歯槽粘膜から、

インプラントで修復した人工歯が顔を出しています。

粘膜が常に、

会話、表情の動きなどによって引っ張られます。

インプラントと粘膜の接合部が密着しません。

ですから、

汚れが溜まり、

粘膜に炎症が起こります。

見た目については、

これは言語道断ですよね。

絶対に治して差し上げましょう。

で、

手術は部分麻酔を少々。

無論この際、

患者さんの緊張度はピークに達しています。

患者さんが、

安心、安心するようにと、

ここで、

麻酔薬ではない、

私ら医療人の放つ安定感が、

とても大切なのです。

むやみやたらに、

麻酔薬の量を増やせば良いと云うのは間違いです。

切開はしません。

ですから、メスは不用です。

柔らかい粘膜をこれ以上虐めてはなりません。

で、

メタルボンドクラウンを外しました。

アバットメントが観えます。

あれ?

ゴールドで造ってませんね?

チタンでもありません?

そういう事ですか!

次いで、

このアバットメントも除去します。

ここまでは簡単なのですよ。

私はいろいろなドライバーを持っていますから。

ネジ孔を見つけて、

ただネジを緩めるだけです。

こういう製造物は、

製造物と呼ばせて下さい。

精密加工されてませんから。

こういう製造物は直ぐに外れるのです。

アバットメントを外したら、

こういう状況になります。

インプラント本体は見えないでしょう?

予めレントゲンから粘膜の深さなどの情報は

私の頭の中に在りますから。

で、

特殊な道具を次々と、

インプラント本体に繋いだり、

付けかえたり。

スタッフの宮田君は結婚されてから、

グッとシッカリしてきたように思います。

小さな器具の組み立てや、選択を、

手順正しく、

私に手渡します。

新しい器具を使う際は、

器具との初対面は私も宮田君も同じですから。

私に間違いがないように、

と云うよりは、

宮田君にシッカリ覚えて頂き、

準備された器具を私の掌に置いて貰うようになりました。

で、

どうですか!

骨を全く削らずに、

インプラントと骨との結合力以上の力でもって、

ご覧の通りです。

このインプラントと接続されたドライバーは、

凄い力で結合しています。

もう外れません。

術後の粘膜の状況です。

痛々しい状況ではないでしょう?

孔は来週には小さくピアスの孔みたいになっている筈です。

来週、

続いて、

陥没した歯肉の美観回復のために

審美歯肉形成外科を行います。

この症例がどのように変化して行くのか?

その度々に、

ご報告します。