日別アーカイブ: 2017年7月18日

美人つくりの秘訣

歯の全くない患者さんの治療のプロセスです。

これが初診時。

で、

仮の総入れ歯をお造りさせて頂き、

入れた直後のお写真。

今日が、

それから1週間あと。

唇の形の変化にお気付きになりますか?

入れ歯のない時には、

下唇が厚く突き出して見えますね?

総入れ歯をお入れした際には、

逆に下唇は薄かったでしょう?

で、

今日は段々と、

下唇が形になってきていますね?

噛み合わせを変えることで、

唇やほうれい線の形は変わってくるのですよ。

仮の総入れ歯には、

私なりの【仕掛け】を封じ込めています。

これが私の総入れ歯治療には欠かせない

仮の総入れ歯です。

下の総入れ歯の奥歯は平らです。

しかも、

素材にシッカロールを混ぜて、

柔らかい!のです。

それでいて入れ歯方はピッタリと動きません。

動くような入れ歯など

私には造れません。

動かない入れ歯なら、

患者さんの身体は、

楽な処で噛もうと、

自然の摂理です。

初診の際には、

患者さんはどの位置で噛んで良いのか判りません。

それを、

歯科医師が知ったかぶりで、

この位置で!

なんて勝手なことするから、

噛める入れ歯が出来ないのです。

噛めるようになれば、

表情筋肉も使いますから、

発達するのです。

私の患者さんが美人ばかりなのには、

こういう訳があるのですよ。

まだまだ治療の途中です。

最後は、

入れ歯をお使いだなんて事は、

私と患者さんだけの秘密になるのです。

 

考える処

歯科医師と云う仕事柄、

人工物を造ると云う事からは避けられません。

物造りには基本形と云うお手本が必ず在ります。

患者さんの歯の状況は様々なのですが、

それを、

お手本に如何に近づかせることができるかが、

歯科医師の腕の見せ処みたいなものでしょうか?

基本を忠実に取得し、

応用力を拡げ、

お手本に近づかせる。

これが医療行為の基本とも言えましょう。

しかしながら、

悲しいかな、

人工物の定めとして、

完成時が一番綺麗な訳です。

どんなに苦労して造ってみても、

患者さんのお口の中に入った瞬間から、

大きな噛む力なり、

酸アルカリ環境下にて曝され、

食べ物のカスで汚染され、

私の作品は、

日常、叩かれて過ごすのです。

メンテナンスの際など、

久しぶりに再会するわが子を迎える親の気持ちですよ。

何処かに不具合は無いか?

環境と調和していない処は無いか?

ヒヤヒヤしっぱなしです。

人工物と人の身体との調和。

それが私の歯科治療における【考える処】なのです。