月別アーカイブ: 2017年8月

男同士

院長室のソファーで、息子が眠っています。

黒い野球帽で顔を覆って、眠っています。

家人の店仕舞を知った息子は

どうやら案じたようです。

揉めたんじゃないか?と。

息子と家人の間にも

多くの難所が在りました。

が、

大きく遠回りした息子は

大人になったんでしょう。

家人と血が繋がっていない息子です。

家人をねぇちゃんと呼んでいます。

喧嘩の腹いせではないわな!

私の顔を見て

即座に息子が言った台詞です。

そりゃそうだ。

思春期の娘3人のお母さんだもんな!

で、

一人は県外で寮生活プラステニス部。

遠征や練習での足は、

ねぇちゃんの仕事になるわな!

次いで、

宮田さんも結婚したし。

そりゃそうだ!

俺の早とちりだったと。

でも、

息子には思う処在るんでしょう。

家には思春期の娘たちと家人だけですから。

男は私ただひとり。

それも明治の生まれと言われる私です。

父ちゃん、いつでも来てよ!

男同士って、

こういうモンです。

 

 

踏み絵

高校時分に読んだ

遠藤周作氏の有名な沈黙を

その時から、

時々、思い出していました。

私は氏のような真面目な生き方をしていません。

人の業の中で、

さ迷っていたようなモンです。

私が家族に誇れるものと言えば、

歯科医学の道だけは

王道を歩いてきた積もりであること。

お日様の真下を、

汗をイッパイかいて、

絶対に日陰には

逃げださなかったと、

やせ我慢です。

でも、それだけは断言できるのです。

ですから、

他のことはサッパリです。

それだけで精一杯だったからです。

こんな私ですが、

私は神さまが、

許してあげるから、

踏みなさい、

私の息子、

と仰られても、

私は踏みません。

踏めないのではなく、

踏みません。

それが私の頑固者のケジメなんです。

シスターとの会話の中で、

人生には、

踏み絵のような機会は何度も在りますものねと。

 

 

息子の踏んだブレーキ

週末から大学の夏休みを利用して

息子が帰省していました。

今夕、発つようです。

犬たちが喜び勇んでました。

馬鹿な奴だと思っています。

いつも心配ばかりかけさせられています。

が、

息子は青春坂を

ヤッと、

登り始めたようだと、

秘かに気づいたのです。

私はオッチョコチョイで勇み足の傾向があります。

息子は気づいて、

突然、

私の意思に反して、

私に大きなブレーキを踏む行為に出たのです。

父ちゃん、

苦労して、

痩せて、

歯科だけは言い訳無要で駆け走った父ちゃんやないか!

頑張ったけどダメだったと云う言葉が

一番嫌いな父ちゃんやないか!

信念の人。

頑固な人。

1度背中に背負ったら、

絶対に下ろさなかった父ちゃんや。

俺は、自分の身を以て経験して、

今、ここに居るんやで。

黙って、

俺を信じてくれたことを

俺はアホやから今頃、気づいたんや。

高校時分の息子は大いに荒れましてね。

恥ずかしながら、

何度も涙を流して、

自分を責めました。

相手は聞く耳ありませんから。

それでも、

一方通行でしかない、

メールを片道通行覚悟で、

ズッと、

発信し続けました。

嫌われているのに、

馬鹿だと思いました。

でも、

私は信じていたのです。

私が一生懸命関わった息子ですから。

中学の時には、

自宅で殴りあいになりました。

警察呼ばれるくらいの

激しい殴りあいです。

親父ですから、

一生懸命になるのは当たり前なんです。

本人の意思に任せるなどと云う

アマッちょろい理屈で、

厳しい世間を歩いてゆけるほど甘くはありません。

家族だから、

私は手で振り払われても

耐えたんです。

また、

耐えねばならなかったんです。

親父ですから。

一緒に自宅で酒を飲むなんて思いませんでした。

突然、

息子は聖書のなかの或一節を口にしたのです。

私は、その節には届いていませんし、

読んでも記憶できないと思います。

驚きました。

シスターにその話しをしたら、

ほらっ、神さまは良い方へと導いて下さるでしょう?

真夜中、

目が覚めました。

ベッド脇の椅子に息子が座っていました。

眠る私の横でズッと居たようです。

すまなかったとは言いませんが、

息子は、

私にすまなかったと、

声なき声で言っているのは

親父ですから、

十分に伝わってきます。

この数日、

身体を大事に、

身体を大事にと。

そう言いながら、

ブレーキを踏む行為に出た時に、

あぁ、私が間違えていたと思い直したのです。

 

 

私からの誠意

ブログを頻繁に更新するのも

結構と大変なのですよ。

患者さんもズット詰まってますから。

患者さんが次回の予約を決めておられる間とか、

セメントが固まる間とか、

レントゲンの現像待ちなどの

寸間に、

細切れで綴っているのです。

何故って、

こんな私でもファンが居て下さるからです。

日頃から私は山本五十六元帥を尊敬しています。

生きるも、

元帥のように朗らかで、

でも、

筋目だけは周囲に角がたっても貫き通す。

ロマンチストであり、

大バクチも打つ度胸を持つ。

でも、

戦略は繊細で。

死に方も、

私は元帥を模範とする者です。

こんな馬鹿くさい人間でも、

応援して下さる方々が居られるから、

私はメッセージを送り続けるのです。

アレは、

いったい何で?なのでしょう?

息子なんかもそうなんですが。

いくらシツコク言っても

聞いているのか?いないのか?

で、

しまいには、

コチラが怒られると云う。

最近では常識も変わって来ました。

私の若い時分の普通が、

今では非常識。

昔の異常が今では普通なんてこと

よく在る話しですもの。

ただ身近な人間には、

人の道だけはシッカリと

教えておくのが大人の責任です。

が、

煩い親父に言われると

腹もたつし、

逆ゆくんでしょうね。

生きているうちは判らないのかも。

死んだ親父の顔観て、

初めて、

気づくんでしょうね。

でも私からすれば、

判れば良いんです。

判れば、

シッカリと、

私の道が引き継がれますから。

ミサ

本当に1週間の過ぎるのが速いこと。

明日も早朝から高速道路を駆け走り、

岡山県笠岡市の教会へと。

私はカトリックです。

主はあなたと共におられます。

ミサに参加することで、

気持ちの汚泥が消えるのが

私が教会へと通う動機です。

穏やかに、

穏やかにと、

念じるからです。

男と女

【男子の本懐】と云う本、

随分と昔のものですけれども、

感動し、

翌年にまた頁を開き、

そのまた翌年にも。

で、

忘れた頃に、

ふと背表紙が視界に入り、

頁を開いて、

また感動する。

そんな繰り返しの本が数十冊在ります

私が単純であるからなのか、

こういう本が名著であるのか、

それにしても、

本は買うものだと信じています。

で、

絶対に棄てない。

ところで、

男子に本懐があるように、

女子には【たしなみ】というものが

絶対に必要だと、

私は固く固く信じています。

ですから、

ハシタナイ女性の振る舞いに触れると

肌に寒気を感じるのです。

若い時分の思い出話しを1つ。

証券会社のOLとのコンパに喜び勇んで出かけてゆき、

気にいった女の子と後日の約束を取り付け、

で、

当日は学生の指導もソコソコに終わらせ、

待ち合わせの場所であるホテルのロビー階の喫茶へと。

女性は気合い十分で来てましたね。

伝わるモンですよ。

熱意というモンは。

会話も弾み、

それに伴い、

私の下心も上昇気流へと。

通りをはさんだ小路の鮨屋へ入り、

カウンターに並んで腰を下ろす私たち。

とりあえずは、

先ずはビールでもと。

が、

突然、

私の耳の横で、

パシーン!

ベリベリ!

オシボリを包むビニール袋を叩く音。

続いて、

そのビニールの袋を両の指で引き裂く彼女。

まだまだ続く!

お通しを食すべく、

割り箸を引き裂くやいなや、

片方の手で1本の箸を握りしめ、

もう片方の手でも、

残りの1本の箸を握り、

互いの箸を

まるでチャンバラ刀のような所作で、

擦りだしたる横に鎮座ましますこの彼女。

当時は私も大人しかったですから、

カウンター越しに立つ親父に、

先ずは白身をと。

出された2貫食った瞬間に、

急用を思い出したと告げて、

会計を済ませて、

店を出たのです。

彼女ですか?

店の暖簾を後ろにして、

急用でゴメンねと謝り、

そこで別れたのは言うまでもありません。

当時は携帯電話などありませんから、

なんぞ用事でもあれば医局の内線に

電話が入る訳です。

そういう時は、

後輩の医局員は慣れたもの。

先生は研究室に隠っていて、

連絡が取れません。

それでおしまい。

そんな話しを横で聞いていた

コンパ皆勤、持帰り皆無の講師であった○○先生は、

お前は難しい奴だな!

そんなに煩いと相手が居ねぇだろう?

と。

いやいや相手が居ないのはあんたの方でと、

心で返事しながらも、

ニコニコ顔で応じていた頃を思い出したのです。

昔は【恥じらいある】女性って多かったですよ。

こんな話しを誰かにしますとね、

みんなが大きく掌を払って、

いません!いません!絶対にいません!

居たら化石か天然記念物!

息子は私の彩が判ってるんです。

が、

判っているけど、

父ちゃんのロマンチストに合致する女は

絶対に居ません。

はい。

断言します。

で、おしまい。

最近のことですが、

これまた凄まじくハシタナイ女性の所作に、

寒気が全身を駆け巡り、

私は助手席に居たんですが、

ロックを解除し、

さっさと独り歩き始めたことがありましたっけ。

ただこういうのは、

伏線も在るんでしょう。

腹に据えかねる積み重ねも

寒気の原因にもなり得ますから。

アレルギーがでたら、

もう終わりですよ。

旅立つ鳥たちへ

もう時効だと思って白状します。

実際には本当は、

その際には違うのですが、

私の浮気を疑った最初の家人から

尾行されたことが在りました。

ここまでは巷によく聞く話しですから、

面白くも何もありません。

私の話しはドラマよりも面白いのです。

大人になった?息子と、

ここからの展開に、

大いに盛り上がって、

盃を酌み交わすのです。

息子にとっては実の母親の行動ですが、

爆笑もので、

それが男同士の絆と言って良いでしょう。

が、

本当に面白いのがココからなのです。

私を尾行する軍団!?

家人と

なんと!私自身の父と母の姿があったのです。

父ちゃんなら、

息子の浮気は、

しらを切ってでも、

隠し通してくれるわな!

20過ぎの若造たる息子でも判る道理です。

この野暮な処に嫌気がさして、

私は商家を継がずに

越後へと出でたのです。

行って観れば、

越後の人は義理固く、

その辺りからも、

私の越後贔屓に拍車がかかったのかもしれません。

そんな私が、

自分の口で申し上げるのもナンですが、

本当に真面目になりました。

鏡で自分の顔を観て、

あぁ、なんと自分は真面目なことか!

毎日、毎日、

自分で自分を誉めているのです。

恐らく人類で最も真面目な男と自画自賛。

若い頃は大いに羽ばたいて良いのだと思います。

若気の至りと云う言葉もあるほどに。

また、

他人が野暮なことに頸を突っ込むこともないのです。

若い人、

大いに羽ばたいて下さい!

 

 

 

 

男同士の絆

東京新橋の線路下のガード街にて、

友人と焼鳥を摘まんでいました。

周りは勤め帰りのサラリーマンだらけ。

みんな、頑張ってるんだな、日本のお父さん!

それにしても、

私なんかも含めて、

男は背負ってるんです。

背負う重さが重いから、

ヘコタレルんではありません。

女房に楽させてやりたい、

ガキたちを一人前の教育を受けさせやりたい、

それが俺の人生の仕事だと信じているから、

社会での不条理に耐えてるんです。

でも今は、

親父は家族の粗大ゴミなんだそうです。

そういう考えをお持ちでない方も居られるでしょう。

でも、

かく云う私でさえも、

あなたはいつも怒ってばかり。

あなたが居たら子供が部屋から消えるのが判らないの?

あなた居ると、私は身体がつかれるの!

他で女でも作ってくれたほうがズッとマシだわ!

あなたはどうしてトイレの蓋を閉めないの!

どうして靴を揃えて脱げないの!

家の前に立つと怖かったですよ。

テレビの優先権などありません。

冷房の温度を決める権利などもありません。

グッと我慢していました。

口では絶対に女性に叶いませんから。

私は馬鹿ですから、

家人への愛情は知り合った当時から、

それでも変わっていませんでした。

だから悩みに悩みましたね。

それでも、

いつの日からか、

私は家人にとっての敵になったのです。

自由の妨げへの原因が私だと云う理屈だったと

昭和の男である私は

仰け反るほど驚いたのです。

家人が子供たちに腹がたち

叱っている以上と云う表現が正しいでしょう。

しかし、

それも元々は私に腹がたつのが原因なんだそうな。

私ですか?

辛抱していますよ。

が、

弦も糸も張りつめ過ぎた状態で、

そこに心の準備もなくの突然に、

大きな負荷がトドメとして、

襲いかかってきたら、

いくらなんでもプツンと切れますよ。

そこからは修羅場ですよ。

ただし、

修羅場になってボロボロになるのは

男の方です。

母子連合軍の無視攻撃に長期間曝されるからです。

焼鳥屋のカウンターの横、後ろから、

男たちの心の会話が聞こえてきます。

みんな同じことで苦しんでるんだ。