月別アーカイブ: 2018年2月

男は嘘つき

歳をとると、

淋しいモノですね。

本音を吐ける相手が居なくなる。

立場の違いや、

相手の返す言葉が容易に判ってしまうので、

聞いても無駄だなと。

うさを外で晴らすとか、

盛り場で発散する、

それでストレスが解消できる方を

羨ましく感じます。

年々、

背負う荷物の重さが、

肩と背中にグッときます。

それでも、

足腰に力を込めて、

踏ん張って、

歩き進むのが日本の男です。

先日、

診療室のデスクでカルテを書いている最中、

宮田君と女性の患者さんが雑談に興じていました。

で、

ウチの主人が言うんです。

オレを嘘つき者呼ばわりしないでくれぃ!

笑いながら、

そう口にする宮田君に、

患者さんも、

そうなのよ。

男って、

どうして見え透いた嘘をつくのかしら?

二人の視線は私の方に。

私は答えました。

それは決して嘘ではありません。

その場しのぎの術と言います。

理屈、言葉では、

男は絶対に女性には勝てません。

かわす手段、

恐怖からの逃避反射なんです。

お釈迦様も仰られているではないですか?

嘘も方便と。

あらっ、先生はカトリックでは?

でしょ?

男の言葉に対して、

女性は瞬時に反論できる脳ミソを持ってるのを

男は身体で判っているのです。

全く同じ台詞を、

私も毎日のように聞かされています。

幼い頃の両親の夫婦喧嘩を

今でも鮮明に覚えています。

そのような、

第三者的眼での実況から、

男は女性の口達者を知り、

青年期の恋愛を通して、

女性の涙と云う武器の怖さに降参し、

所帯を持ってからは、

つくづく、

男はツラい者だと悟りの境地に達するのです。

仕事のストレスは、

仕事で打ち勝つこと。

他人との人間関係からくるストレスは、

関わらなくても済む相手であれば縁を断つ。

上司や同僚、取引先であれば、

人事が変わるまでひたすら耐える。

部下でのストレスであれば、

部下を誉め殺し、

滞る仕事は自分が黙って背負う。

子供からのストレスであれば、

製造者責任だと思い、

ひたすら子供を信じて、

神仏に祈る。

女房からのストレスであれば、

視る眼がなかった自分を悔やみ、

諦めの境地に早々に入る。

他に女性を作っても、

結果、

女性と云う生き物は同種であることを忘れては、

もっと苦しみを味わう羽目となる。

カトリックの祈りのなかに、

主よ、あわれみたまえ、

キリスト、あわれみたまえ。

そのような文言が在ります。

何度も何度も、

唱えると、

気持ちが楽になるかもしれませんよ。

 

歯科医師の全身管理

超高齢化社会の中で、

歯科治療を【普通】に行う時代になりました。

私の教育を受けた時代には、

考えられないことです。

昨秋もそうでしたが、

診療所での患者さんの所作を観て、

即、

県外の私立医科大学病院へと誘導し、

くも膜下出血の爆発する直前の漏洩の段階で、

危ない処から危機一髪で逃れた患者さんが居られました。

私の診療所の患者さんが増えれば増える一方で、

当然の結果として、

歯科以外の異変を感じる機会が増えました。

また、

口腔粘膜の視診や、

麻酔前に脈をとったり、

心電図のモニターから、

?を感じる機会が増えました。

それは高齢者だけではありません。

壮年期の方でも、

超ストレス社会です。

心と身体に負担を強いられているのだと思います。

私が医科との連携を重視する、

或は、

患者さんの全身状態に気配りするようになったのは

訳が在ります。

現在、

日本歯科大学新潟生命歯学部にて学部長を務める

藤井一維教授が、

麻酔科の準教授から、

新設された全身管理科の教授へとなられた時です。

ああ、時代は変わるぞ!

歯学部から生命歯学部と云う、

当時は妙な感じの印象を抱いた

学部名称の変更でしたが、

今になって、

その訳を実感しています。

修復中心の学問を中心に過ごした私です。

その辺りには弱いことを自覚していました。

ですから、

医科の専門書、

特に内科、外科の専門書は相当読み返しました。

判らない処は、

藤井教授に即、電話。

そんなこんなの繰り返しを10年です。

私は医師ではありませんから、

治療はできません。

が、

私は歯科医師ですから、

誰が上手な歯科医師であるかを判断できます。

その眼で、

私は自分の患者さんが

スムーズに

安心して、

診療して頂けるような

何処の誰が、

その分野において長けているのか。

そして、

その医療機関は患者さん本位の精神を持っているのか?

そのような基準から、

私の患者さんの異変が生じた際の

仕組みを構築したのです。

ただ、

10年って長いですからね。

途中で、

私の基準に満たさない医療機関ができたのも事実です。

医師も人間です。

色んな事情なり、

医師自身の考え方が変わる場合、

スタッフの口が軽い、

受付対応に問題がある。

そんな感じが、

私の基準から転げ落ちた理由です。

厳しいと言われるかもしれません。

しかし、

私は自分の患者さんが1番大切です。

昨日のような突発事項が生じ、

患者さんがご無事であった時の嬉しさほど、

言葉になりません。

それと共に、

私より1年後輩に当たる藤井教授。

私が先輩であると云うことを、

こういう時には忘れてるんでしょうね。

厳しい指導なり助言を頂いて来られたからこそ、

今の私が在るのだと、

照れ臭いので電話しませんが、

ありがとう!

感謝しているのです。

患者さん第1主義

昨日最後の患者さんは、

メンテナンスを既に20年の長きに渡り、

1月半の間隔で、

通われている76歳男性でした。

大がかりなインプラント歯周補綴治療を行った患者さんです。

無論、

インプラントも修復も問題ありません。

ただ、

神経を採った歯、

これは私の30代前半の頃の治療ですが、

根の先にレントゲン上で陰が視えるのです。

これは、

来るべき時が来たぞ!

歯の根にヒビが入ったか?

それとも、

根管充填材のパッキンが甘くなったか?

何れにしても、

対応を考えるために、

メンテナンスから【再評価】のために、

来院して頂いたのです。

診療室に入室して頂くと、

診察の前に、

歯科衛生士の手によって、

口腔内のクリーニングがなされます。

プラークの微塵もない状況で、

観察することが、

診査の第1歩だからです。

クリーニングが終わった頃を見計らって、

私は診療室へ入室します。

で、

チェアに座る患者さんの前に出向いて、

挨拶する。

これが私の診察のスタイルです。

が、

!!!

患者さんは普通に

季節柄の挨拶をなさっておられますが、

私の眼はハンターの眼へと変化し、

患者さんのお話しを聞く耳は獣の耳へと変わったのです。

チェアを下ろし、

手を繋いで、

この紳士に対して、

このような行いをした機会は1度もありません。

患者さんの方が、

戸惑っておられます。

○○さんの【かかりつけ医】は確か○○総合病院ですね?

はい、

鞄から診察券と保険証を出して下さい!

次は担当医の名前をお願いします。

じっとソファーにてお掛け下さい。

私に任せておいて下さい。

急に不安になる○○さん。

この数日、しんどかったんですよ。

瞼も朝から下がってきて。

先生、何ですか?

○○さん。

恐らくごく軽い脳梗塞かもしれません。

今日の治療は、

私の判断で中止させて頂きます。

お車でお越しですか?

いけませんよ!

運転はさせられません。

私が代行して運転させて頂きます。

助手席に乗って下さい。

宮田君!

悪いが君の車で着いてきて、

私を帰りに乗せてくれるかい?

では、

準備して下さい。

その間に、

私は○○総合病院と打ち合わせしておきますから。

時間は10分で完了しましょう。

患者さんを横に、

○○総合病院へと電話し、

25分後には到着する旨を伝へ、

先方も担当医を呼び出し、

検査等の準備を整えておくとの事。

助手席の○○さん、

ご不安そうでしたが、

ごく初期の症状ですから大丈夫!

安心させる声をかけるのですが、

所作から、

ほぼ間違いないでしょうと、

内心では、

速く速く病院へとと。

総合受付では、

話しが通っている様子に安心しました。

この際に、

公立病院のあまりにも事務的な対応に

腹が立つ機会が多いのです。

この病院の院長がシッカリされておられるのでしょう。

外来までは、

受付嬢に同行を依頼し、

私は○○さんの後ろ姿を見送ったのです。

2時間も経っていない頃、

○○さんの携帯電話からご本人からの報告を受けました。

先方、ありがとうございます。

先生の言う通りでした。

簡単な手術で済むそうです。

皆さんを待たしとるんです。

先ずは御礼をと。

この頑固親父を

私は若い頃から好感を持っていました。

速く手術に行って下さい!

あぁ先生、入院は2週間程度ですって。

退院したら、

歯、お願いしますよ!

電話を終えたあと、

私は神さまに祈りを捧げました。

ご無事でありますようにと。

先生、自ら病院までお送りしたんですか?

帰院してから、

お送りする間、

診療所は閉めていましたので、

出直した歯科関係の営業マンが驚いていました。

私からすれば、

驚くことはありません。

私の診療所の中で異変が生じた際には、

医科領域であっても、

次の処置する相手を診て、

委して良いかどうか判断する。

ここまでが、

私の職責ですから。

これが【三枝デンタルオフィス】が四半世紀、

他の追従を受け付けない理由の一つです。

私は患者さん第1主義者ですから。

 

危ないインプラント症例数

私の歯科医師人生は、

インプラント治療と共に在りました。

私は治療の質を重んじていますので、

無理なインプラント治療は行いません。

ブリッジ、入れ歯治療も、

私はインプラント治療と同じレベルでの治療を

提供できていると思っていますので、

公平なる判断力にて、

治療方法を選択しています。

私は毎日、インプラント治療に携わっています。

28年です。

それでも埋入本数は4000本程度でしょう。

卒後10年や15年程度の、

しかも健康保険医療機関にて、

1000本の数の経験が在ります!

とか、

チェーン展開した歯科医院での数千本の数を誇る!

そんな広告を頻繁に眼にする機会が増えました。

インプラントにおいて、

甘いも辛いも知る私です。

これらは大嘘つきの類いか、

治療の質になど無関心な医師もどきだと思います。

20年は経過した症例を出して、

公開すべきと思います。

患者さんを一般の消費者、お客さんとしか

考えていないなら、

医師の資格はありません。

 

師を仰ぐ

日曜日の夜、

銀座のとあるレストランにて、

師である内藤正裕先生の

74歳を祝うお誕生会と、

先生主宰のセミナー【くれない塾】の50回の節目を祝う

祝賀会が開催されました。

盛大なパーティーでした。

先生の背中を観て、

先生の胸を借りての四半期。

これからの四半期も、

先生にはお元気で、

ズット情熱の歯科医師でいて下さることを

心から祈り続ける不肖の弟子です。

正面の先生に向かって左隣、

私の右隣に居られるのが、

先生のご令嬢です。

やはり血筋ですね。

お父さんの肖像画を、

この日のプレゼントとして、

手渡されていました。

あの師の眼にも涙が。

ご本人は否定されておられますが。

先生のお祖母さまは著名な画家です。

私のカトリックネームの【ヨゼフ】の名付け親は先生ですし、

お祖母さんの描かれた【ヨゼフ】の絵画を、

私の記念にプレゼントして下さいました。

診察室に入る度に、

私は【聖ヨゼフ】にお祈りし、

患者さんの大切なお身体の手当てを行うようになりました。

私の仕事を、

内藤先生2代の渡って、

観て護って下さっていると、

兜の緒を締めなおして、

診察しています。

不肖の弟子の代表である私です。

乾杯の音頭という大役を。

心をこめて、

先生のご健康と、

今後ますますのご発展を祈ったのです。

 

神様からのプレゼント

金曜日から上京しています。

田舎者の私には、

眼にするモノが全て

目新しく感じます。

大都会東京の魅力なんでしょうが、

なんか落ち着きません。

で、

今日の日曜日の朝、

ホテル近くの教会へと。

建物はコンクリートと鉄骨を

組み合わせたモダンな造り。

でも、

ミサは伝統的な格式で進められ、

やっと、

私の心は落ち着いたのです。

教会へ出向いたからでしょうか?

神様からの贈り物でしょうか?

今日も元気いっぱいの、

我が師、内藤先生の奥方様からの

思いがけないプレゼント。

バレンタインデーなんて、

すっかり縁がありませんでしたので。

そんなこんなで、

常なら9時就寝の私ですが、

今は0時前。

アルコールも少々入り、

内藤先生74歳の誕生パーティーを

楽しく過ごすことができ、

これまた、

神様からのプレゼントだと。

先生には、

いつまでもご健勝であって頂きたいと、

宿の帰り、

ロザリオを出で、

神様にお願いしたのです。

明日は羽田空港を7時25分発のフライト。

これはマズイ!

今夜は眠れないぞ!

 

 

決めた時

よく聞かれるのが、

治療のタイミングです。

例えば、

病巣を取り除く時期とか、

メスを入れる瞬間とか。

何かルールのようなモノが在るんですか?

と、

そんな感じの質問です。

答えは在ります。

確実に在ります。

経験から得たデーターなり、

学会からの治療のガイドラインなり。

ただし、

このタイミングって云うのは、

正直、

自分のルールでしょうね。

決めて行動を起こす前に、

相当に悩みます。

本当に今が、

そのタイミングかと。

で、

よく観察しながら、

準備段階に入ります。

この辺りは、

素人目からすれば、

相当に優柔不断に見えるのではないでしょうか?

でも、

責任を背負っていますから。

その中で、

他の様々な手立てがないモノか?

ジッとでは決してありません。

あらゆる手段を講じます。

が、

決めたら、

私は躊躇しません。

結果がどうであれ、

後悔しないくらい、

検査なり、

経過を診て、

決断したのですから。

それに、

相当の時間や手間隙かけて、

準備しますもの。

治療に失敗は許されませんから。

本当に決意した時には、

人間って、

そういうモンだと思います。

でなきゃ、

これだけ歯科医学に魅了されていませんもの。

決めた人間って、

強いモノですよ。

 

祈り

毎週水曜日の夜は、

高松市桜町カトリック教会の松浦司祭さまのご厚意にて、

聖書の読み方などを

指導して頂いています。

毎週、

司祭さまは私の顔を観た瞬間に仰います。

先生、どうですか?

私は真面目に取り組んでいるのですが、

聖書は奥深く、

解釈など到底、

1年生のレベルだと思います。

歴史的背景、

民族学的な知識、

私の教養の至らなさが、

まだまだ聖書を理解できるまでには至ってはおりません。

そう申し上げると、

それは時間と興味が沸き立つことで

容易に解決できますよ。

微笑みながらお答えになられるのですが。

ただ、

完全に変わった【あること】が自分でも判ります。

1日に何度も、

患者さんの治療の合間での待ち時間を、

院長室で過ごしますが、

【カトリックの祈り】の小冊子を開いて、

【主の祈り】と、

【アヴェ.マリアの祈り】を、

繰り返し、

繰り返し、

声に出して、

お祈りするのです。

治療にお越しになられる患者さんの

治療が上手く運ぶことは勿論、

患者さんの毎日が穏やかで健康でありますようにと。

繰り返し声に出して祈ることで、

上手く表現できませんが、

集中力が極まり、

目の前の患者さんの様子が

鮮明に見えるようになりました。

また、

祈りの最中、

お仏壇の前に鎮座しお経を唱える際には、

どうしても雑念が消えません。

つい他の事が脳裏に浮かぶんです。

また、

ついつい、

個人的なお願いごとをしてしまうんです。

55歳になった私が、

残りの時間を【歯科医学】のみに専念しようと決めて、

そのためにカトリック信仰を助けとして選んだことに

間違いはなかったと思っています。

医療人は、

患者さんのために在るのですから。

安定剤

心穏やかにと、

心がけて過ごしています。

それでも、

イライラ!しますよ。

真剣に仕事してるんですから。

でもね。

でしょ?

私の安定剤なんです。

 

優しくなった私なのに?

最近は、

つとに丸くなったと、

言われる私ですが。

書類だの、

技工物のチェック、

検査結果の確認、

それらを、

診察の合間の瞬時に

行わなければ、

ならない身の上です。

確認される側からすれば、

やっぱり厳しいんでしょうね?