日別アーカイブ: 2019年5月14日

師と呼べる・歯科衛生士

今では・大きな顔してマスが、

私の歯科医師としての・第1歩を思い出すたびに、

穴に埋もれて隠れたい心情になります。

経験も・技術も・知識も・無い癖に、

夢イッパイで、

希望だけは人一倍強かった。

当時、

大学院に学ぶ歯科医師の1年目は、

アルバイト禁止だったのですが、

規則は破るモンだ・

ヤンチャ坊主の私は、

大学院の学費や生活費を稼がねばならず、

隠れアルバイトを余儀なくされるほどに・逼迫した経済危機でした。

歯科メーカーのエンジニアには、

何故か?可愛がって貰いました。

今でも、

音を聴くだけで、

回転する歯の切削用タービンやエンジンの

回転数はドンピシャで当たります。

彼らからの【技】の伝授のお陰です。

一升瓶を片手に、

エンジニアの処にお邪魔するんです。

で、

酔わせておいて、

いろんな事を教えて貰ったモノでした。

彼らの酔いが有頂天になった頃合いで、

アルバイト先をお願いするんです。

雇う側の歯科医師は、

卒業したての大学院生など・必要ありません。

まだ歯科医師としては、

何の役にもたたないノですから。

其処を、

ソレなりのエンジニアが頭を下げて・お願いしてくれるンです。

本当に・ありがたい境遇でした。

半年も経てば、

アルバイト先は数軒、

抱えていました。

そんな中、

新潟県小千谷市の阿部歯科医院との出会いがありました。

エンジニアからは、

先生、此処でOK貰ったら、

儲けモノですぜ!

非常に厳しい先生ですから。

歯科医師としての大切な基本プラス大きなαを

此処のご夫妻はお持ちでいらっしゃる。

私の知る限り、

名医ですぜ!

先方には、

一応、会って頂けるようにアポは採ってます。

そう聞くと・俄然ファイトが湧く・若さがありました。

面談開始の・いきなりに、

片手煙草を唇から放し、

フゥ~っと、

煙を私の顔へと。

仰け反っちゃいました。

これが生涯の歯科衛生士の師と仰ぐ、

阿部孝子歯科衛生士との出会いの幕開けです。

とにかく・なんにも期待していない。

来て、

自分の身体で・学びなさい。

歯科医院は女性ばかりで、

先生が退屈だから、

まぁ、先生の話し相手みたいで良いわ!

そんな感じで、

〇〇さんから、お願いされたから、

私もお断りできないのよ。

でも、

続くかしらっ?

これが当時の私の真の姿です。

医院の中で1番役立たずは私です。

出された仕出し弁当を食べる時には、

誠に肩身が狭かった!

日払い日当は沢山頂けたんですが、

ソレを受け取る自分が惨めでした。

だって、

相応のお役にはたってませんモノ。

せめて、

便所の掃除と、

患者さん用のエプロンと、

スタッフの白衣のアイロン掛けを、

昼食後の昼休みに、

惨めな想いで・ヤラセて頂いてました。

イッパイ、

患者さんの前で注意を受け、

私用の連絡ノートを作って頂き、

私のミス・至らない処を

たくさーん指摘した箇所を、

通う都度に、

惨めな想いで、読んでいました。

こんな私でしたが、

クビにはなりませんでした。

私は良い歯科医師になりたかったですから、

自分よりも実力のある専門職には敬意を払っていました。

いつかは、

スタッフから私に歯を診て欲しいと言われるように

そのレベルにまで至るぞ!

私の患者さんへの触れ方、滅菌に対する厳密さ、

麻酔の方法などの、

名医の歯科医治療の基礎は、

私を細かくチェックする阿部孝子歯科衛生士のお陰です。

大学院を後半になると、

垣根もなくなり、

本当に充実した診療を勉強できました。

今日の私の歯科治療の【足腰】は、

此処で鍛えられたノです。

開業する際には、

準備の目録を頂きました。

これは歯科医院の仕入れのレシピ・なんですよ。

私の診療所のオープン前夜、

ご夫妻、スタッフともどもで、

新潟から寝台車を乗り継いで、

駆けつけて下さり、

器材の洗浄・消毒・滅菌作業を

私の診療所で実際に行って下さり、

改良点のアドバイスを頂きました。

私は誓ったノです。

ソレなりの歯科医師に至るまで、

御無礼しようと。

これは一見・無礼な所作かも・しれません。

でも、

判って下さると・

私らなりの信頼関係がありました。

アレから20年以上。

日本歯科大学から臨床教授の辞令を頂き、

新潟へ最初に出向いた際に、

再会に先生を訪問したノです。

手をついて、

今まで、本当にありがとうございますと。

阿部孝子歯科衛生士は、

まぁまぁ、先生、

お食事を予約してルノよ。

桜満開よ。

と言いつつ、

奥方の頬には涙が流れていました。

先生は、

アレから、

どう生きてきたの!

どの先生との出会いがあったの?

話しは尽きません。

今では、

材料で私の欲しい手に入らないモノがあると、

阿部孝子歯科衛生士に電話するんです。

既に70をお越しの様子。

でも、

名歯科衛生士は健在です。

私の質問には、

調べてでも、

返事が返ってくるのです。

優れた歯科衛生士は、

技術力・知識・患者さんへのいたわり・

全般・群を抜いてるんですね。

私の大切な師です。

 

 

 

 

男って・辛いですよね

私は14歳年下と

2度目の再婚をしました。

既に15年以上・昔のことですが。

ですから、

今の娘たちとは、

孫の子ほどの歳の差があります。

子育てにも適応期ってモノが・あるのだと、

しみじみと感じています。

体力の差と、

世代間の差の大きさ、

時代感覚の差、

そして家では、

女性4人、

その内3人が思春期で

プラス1名は更年期?

で・あることからの

喧騒さ。

仕事で・張りつめた気持ちで帰宅するんですが、

女性4人の日常は、

うるさ~い!

ノボセそうになる時も・あります。

年に・ごくたまに、

帰宅恐怖症になることも。

そんな時には、

ひとりで、

静かな割烹へと出向き、

心を休めるのです。

で、

もう1軒、

小さなカウンターで、

小鉢と1合だけ。

禁酒の一時中断も、

まぁ・自分への褒美だと。

この間は、

1軒目が1万7000円程度だったと思います。

2件目は1万円で、お釣りがありました。

良い割烹へと、

私なりに奮発したノです。

爆発するよりは、

外で頭を冷やす。

年に数回、

片手にも満たない日々が、

精一杯の、

気晴らしです。

私なりの贅沢ナンです。

でも、

その後の締め付けには閉口します。

使途不明金をめざとく察知した敵の頭の中に浮かぶのは・

女の影!

以前にも、

リゾートホテルの会員権の営業からの電話を、

東京デートクラブと聞き間違えた家人は、

罪のない私を、

責め立てたのです。

晴れて、

デートクラブとリゾートクラブを

聞き間違えた事に気づいた瞬間、

ヤバイ!

と云う表情を一瞬したものの、

今からさかのぼること・18年前の何月何日、

天候は雨だった。

あの時、

あなたは、

どうのこうの…。

絶対に、

自分の非を認めないのが、

男と女の大きな違いです。

私にも社会的立場ってモノを

この歳ですから、

十分に認識しています。

今さら、

ねぇ~?

映画の名作が、

アレだけの長期間、

ヒットし続けた訳が・

本当によく判るンです。

作家の遠藤周作氏が、

生前、

名台詞を残されています。

女房の苦情には、

誠心誠意・ひたすら拝聴させて頂く振りをする。

その間、

何周でも、

山手線の駅の名を順番に、

心の中で唱和する。