決断


謙虚で素直な心が、何よりも成長には欠かせない条件だと思います。

持たない方が良いプライドのために、成長出来ないのは不幸です。

他人を批評してみても、欠点のない人間などこの世には居りませんから、

澄んだ水のような気持ちで日々を過ごすことが大切だと思います。

といって、喜怒哀楽の感情を、わざわざ棄てることは愚かだと思います。

それは人が人である証ですから。

これだけ多くの人間が、この狭い国土に生きています。

合う合わないが在るのは当たり前。

その人の持つ哲学なり信念が私の其れと違ったとしても、

確かにそういう何か確たるモノを持った人を私は尊敬します。

飲んで育った水が違うという言葉があります。

これも仕方のないことで、こう言った場合には早晩、上手くは往かないことは

この歳に成ると判るようになりました。

チャレンジする勇気と、無理にとは全く異なります。

私は歯科医ですから、毎日、患者さんという人と接し、

色々な病の手当てで過ごしてきました。

日々を研鑽し、新たなるチャレンジ精神が仕事の原動力です。

人と接する仕事ですから、人が好きでなければ務まりません。

諦めない強さも絶対に必要な、医者の条件です。

が、無理しない、我を張らない、プライドを持たないことも大切な気持ちの持ちようだと思います。

その中で、駄目なモノは駄目と見切る潔さも、矛盾しているようですが、

傷が大きくならないためには、大切な決断だと思います。

この決断に至る経過と、その間にどれ程の努力と粘りをみせたのか、

自身の胸に手を当てて、心と頭が一致したタイミングが、正にその時だと思います。

人の人生の中で、何度も決断の機会が訪れます。

一見、優柔不断に見える私ですが、後悔ないように、

粘りに粘って、自分がボロボロになるまで手当てを尽くし、

もう何の方策もないと悟った時に初めて、

鞘から刀を抜き、全う段に構えてではありますが、

前へ前へと相手との間合いを狭める作法は好みません。

構えたら、ヤー!と一刀断するが、思い遣りだとの考え方を潔しと思っています。