歯科医という仕事


小学校に通う娘が3人も居て、おまけに大勢の犬たちに囲まれて暮らしているためか、

仕事が終わると外出もままならず、どうしても家族と過ごす工夫をするようになりました。

猫の額程の庭ですが、木に犬たちを括りつけて、芝生を敷いたり、花木を植えたり、

横で娘たちは、倅が幼い頃に使っていた虫取網や虫籠を納屋から見つけ出し、

走り回っています。

一汗かいた後は、風呂に入り、

そういえば上の娘は急に、私とは風呂に入らぬようになりました。

ー パパ!覗かないでよ! ー

誰がお前の風呂など覗くかぃ!と、思いますが、

とは言うものの、恐がりの娘は独りで風呂には入れないので、

下の二人の妹を従えての入浴です。

ついこの間までは、皆でワイワイ言いながらの忙しい入浴でしたが、

今では独りキリでの淋しいモノとなったために、

これも寂しがり屋の元祖である私は、マリリンと一緒の入浴が日常となりました。

迷惑なのは犬の方で、私が風呂に入る気配を感じると、後退りするようになりました。

診療所ではまた正に戦場のような緊張の連続ですが、

仕事を離れると、普通の普通の何処にでもいるお父さんです。

トレンディ.ドラマに登場する歯科医とは随分とかけ離れた生活を過ごしていますし、

また、かようにハデな生活など送っていたら、仕事になどならないでしょう。

本来、歯科医という仕事は地味な仕事なのです。