ダイレクト.ボンディング その3


 昨日の続きの話に戻る。

 ダイレクト.ボンディングと云う治療は
昔で云う処の
コンポジット.レジン修復である。

 此の修復法に供される材料は
此の数年で
飛躍的進歩を遂げた。

 此の結果、
色の再現方法を
確実に習得出来たならば
最少の歯の削除で
天然歯の模倣が
可能となった。

 普及しない訳は
歯科医師サイドの都合に
依るところが大きい。

 則ち、
完璧なるカラーマッチの自信がない、
加えて、
口の中での作業での
歯の形を再現する技量が無いと
言った処である。

 しかしながら、
これ等を克服出来たならば
患者利益の大きい
ダイレクト.ボンディングである。

 忘れてならないのは、
此の名の顕す通り
修復物が直接に歯と
セメントを介在せずに
接着する為に
歯と修復物の間に
隙間が無いのが
此の最大の利点である。

 人材難の歯科業界である。
余程の匠、歯科技工士の手で
造られる人工歯で無い限り
私は自身で彫刻したる
ダイレクト.ボンディングに
軍配を挙げて仕舞うのである。