プロとしての責務


若い時分には焦りが在りました。

将来、歳をとって仕事の勢いが落ち、若い歯医者に負けたらどうしよう。

そんな想いで、自分に鞭を撃っての四半世紀だったと思います。

歯科の何たるか❗は、正直に言って今でも判りません。

其ほどに歯の世界は奥が深く、魅力に満ちています。

今では他の歯科医のことには関心がなくなりました。

もっと、もっと上手になって、歯と自分が一体と成りたいという想いで一杯です。

未々、未熟者だと感じて、日々を反省と、悩んで過ごしています。

が、其れとは裏腹に想うところ沢山ある歯科の現状です。

私の診療所へお越しになられる患者さんは、他での再治療を希望する方ばかり。

嫌でも、何処其処の誰それの技量が判ります。

で、だらしねぇな!と。

仮に私の診療所に勤務する歯科医であれば、私の鉄拳が跳んでいる事でしょう。

未々、ヤれる!と、安堵しているのは正直な処です。

私は手持ち無沙汰の時には、石膏棒を彫刻刀を使っての歯の彫刻に勤しんでいます。

此れは私らプロの責務だと思います。

治療は本番。

患者さんを診る他の時間には、練習に勤しむのがプロだと思います。

研修会に出席するのも刺激を受けて、それはそれで必要な事でしょう。

しかし、プロ野球の選手は日々を自己研鑽で、凌ぎを削っています。

野球セミナーなるものがあって、月に1度程度通って、半年位の講習の後、

修了証書を貰って一人前になって喜んで。

それでジャイアンツの一軍に成れますか?

あり得ないですよ。

私ら専門職は、日々の患者さんが一番の先生です。

その先生を疎かにするから、患者さんが来ないんです。

セミナーを受けても、実際の現場に還元出来ない。

此れは、自らの姿勢に問題があることに気づかなければなりません。