老化に感謝


自分で云うのも何ですが、

若い時分から現在に至るまで、

女性からモテました。

今は、

体力、気力の衰えと、

加えて、

経験上から来る女性の怖さに

もう懲り懲りと云う気持ちが先にたつので、

女性は犬のマリリンで十分という悟りに入った私です。

数年前、

北海道の辺境の地へと赴く機会が在りました。

飛行機のなかで、

窓からの北の大地と海岸線を眺めながら、

想わず空想の世界へと旅立ったのです。

高倉健の映画のように、

雪の舞うひなびた漁村に立つ私。

で、

夕暮れ時の灯火の暖簾をくぐり、

引き戸を開け、

カウンターに10人も入れるのが精一杯という

庶民的割烹に入る私。

着物に白い割烹着を着こんだ女将が

振り返り、

あら、先生、いらっしゃい。

女将は往年の高橋惠子か麻生佑実という塩梅。

こう言う虫の良い話しが在る筈もなく、

現実は、

割烹ではなくラーメン屋で、

女将どころか、

北国のヒグマのような逞しいオバチャンでありました。

馬鹿馬鹿しいのですが、

昔から綺麗なモノが、

何につけ好きな私です。

ですから、

仕事場も清潔という意味合いで

綺麗ですし、

診療所の趣も、

私の好みでの造りにコダワッテいます。

遊び心を失っては、

男も終わりだと。

ただ女遊びは完全卒業したようです。

昔は寛容、寛大な時代でしたが、

今だったら格好のスキャンダルの的になっていたでしょうと、

あぁ、大人しくなって良かったと、

自分で自分の成長?

それとも老化?

に、感謝しています。