普通のこと


お一人の患者さんの診療が一段落する度に、

院長室に戻って、

デスクに向かって、

書類に眼を通したり、

ブログを書いたりと、

そんな途中で、

次の患者さんがお越しになられます。

ですから、

診療以外の諸般の雑用は、

診療の合間を縫っての、

細切れ作業と言って良いでしょう。

でも、

時間がないから余計に集中して

目の前のモノに向き合えるのだと思います。

院長室と診療室の距離は随分と在ります。

待ち合い室の前の廊下を通り、

限界ホールを横目に、

階段を上り、

上がった先の聖ヨゼフの画を前に、

左手には手術室への廊下が進み、

右手には、

開け放たれた大きな木の二枚戸の向こう側に、

私の仕事場が在ります。

院長室から、

この仕事場への行程を、

1日に何度も往復します。

その間、

色んなモノが視界に入ります。

床の上の点状のゴミ、

棚の上の埃、

額縁の傾き、

その度々に、

私は必ず、

綺麗に整え直すのが習慣となりました。

患者さん用のトイレ、

玄関土間の靴の並びも同じです。

私は患者さんが大切です。

少しでも、

快適にお過ごしして下さいますようにと、

それは院長たる者の最小限のエチケットだと。

そのような些細なことに無関係な人は、

もっと、

もっと、

細かで、

繊細な、

歯科治療など到底できないと、

私は普通に思っています。