歯を保存できる決め手


先のブログで紹介させて頂いた

歯を保存出来ない、

むしろ、

抜いた方が良い症例とは

全く逆の、

絶対に残さねばならない症例をご紹介します。

歯冠部分が歯科医師によって削られ、

ほぼ歯根部分しか残っていませんね。

初診の際には、

歯茎が腫れて、

ズキズキとした痛みをお訴えになられていました。

この様な症例に対しては、

早急な根管治療は禁忌です。

なぜなら、

ラバーダム防湿のためのクランプという器具が

歯に引っ掛からないからです。

無菌的治療のできない根管治療ほど

自信過剰な愚かな治療行為であることに

歯科医師は気づくべきです。

急性期の症状は、

根管を徹底的に洗浄し、

根管自身を排膿路とすることで、

早急に痛みは消失します。

その後、

仮に水酸化カルシウムのペーストを

根管内に満たしておきます。

で、

臨床歯冠長延長手術を行います。

どうですか?

随分と歯が露出したでしょう?

これなら、

シッカリとラバーダム防湿下で、

無菌的な根管治療が可能です。

また、

歯質が大きく露出したことで、

被せるクラウンがシッカリと歯を包み込みますから、

歯根破折の可能性も、

格段に減少します。

加えて、

クラウンの境目も、

綺麗で健康になった歯肉溝の中に、

マイクロスコープを使った削りにて、

歯周組織に優しい修復治療ができるんですよ。

今日、

仮歯を装着しました。

被せる直前の写真です。

歯はシッカリとした角化歯肉に被われています。

ファイバーポスト直下の健康な歯質も多く残っています。

これをクラウンが被い被さるので、

力学的に歯が折れる事の可能性は激減します。

仮歯を装着した写真です。

ここから、

何カ月か、

仮歯の挙動を観察しながら、

最終的なクラウンの素材を決定しつつ、

歯の形態上のディテールを見つけてゆくのです。