治療の勘所


外観からは、

ヘタクソなクラウン治療ですが、

クラウンがセメントで固定されているので、

まぁ、外れはしない。

ただ、

モノがよく詰まる。

クラウンの境目が臭い。

何故か疲れた際に歯茎が腫れる。

で、

次第に、

クラウンがガツツキ出して、

なんだかグラグラし始めた。

そんな状況が、

ドンドン悪化して、

ホームページで、

手頃か、

あるいは、

自画自賛の名医の診療所へと。

で、

なんだか怪しいと、

賢明にも気づいた方が、

私の診療所へお越しになられる。

これが、

大概のパターンです。

通り抜けてこられた歯科医院については、

地区によって、

だいたい3パターン程度。

これも興味深いのです。

クラウンを外して、

歯周外科手術を行い、

右の根だけの歯のほうが、

その右隣の歯より悪くお感じになられるかもしれません。

でもね、

外科手術の後の写真は、

私が丁寧に炎症を取り、

骨の整形と歯肉の整形を行なった直後だからです。

歯肉を剥離した直後は、

上の写真のような状況だったのです。

根だけの歯の右隣、

歯根が黒ずみ、

根を覆う骨が裂けて溶けて、

黒ずんだ歯根が見えていますね。

治療のある過程までは、

この黒ずんだ歯は利用します。

仮歯の支えとしてです。

この歯にとっての、

最後のご奉公でしょうか。

他の歯は着々と治療は進みます。

抜く予定の歯であっても、

仮歯は削った境目は、

キチンと適合させねばなりません。

プラークの巣になるからです。

で、

2回目の仮歯を装着する時、

この歯の役目は十分に果たしてくれましたので、

抜歯します。

根が真っ黒でしょ?

何でか判りますか?

根管治療のさいに、

チョコッと治療しては、

何回も何回も、

通わせる歯科医院。

その通う度に、

根管の中に、

薬を封印するんですが、

それが、

ドンドンと、

歯の表面に染みこんでゆき、

歯の表面に至り、

歯根の表面を被う大切なセメント質を

このように殺してしまうんですよ。

それに気がつかないで、

セラミック・クラウンなど入れても、

後から、

酷い目に遭うでしょう。

予知できない歯の抜歯も、

将来を見越せば、

良心的な治療でもあるのです。

低侵襲の抜歯のあと、

2回目の仮歯は、

予めブリッジの設計ですから、

逆に、

見映えは、

断然に良くなりましたし、

良く噛める!

根管治療を行うに際して、

1. ラバーダム防湿を絶対に行うこと

2. 治療時間は少々長くても辛抱して下さい。

3.治療回数は1回から2回。

最低でも3回で終了。

4.できればマイクロスコープを使う治療であること。

ただし、

マイクロスコープは医院に置いてあることと、

実際に使って治療して貰うことは違いますからね!